Windows
の歴史と Windows XP
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ITに関係する方々が知っていて欲しい Windows の歴史と 2001年11月から発売されている Windows XP の概要と評価です。今後、WindowsXP を使用するユーザーはご一読ください。アップグレードの制限、価格等の製品情報に関しては、マイクロソフト社のWebサイトを参照してください。問い合わせはこちらまで
●Windows の歴史
○MS-DOS から Windows へ
1981年に IBM 社の依頼により、「IBM PC」用に Microsoft 社の開発した「PC DOS 1.0」が、DOSの最初のバージョンとして登場した。翌年、IBM
社から販売権を獲得して発売したのが「MS-DOS 1.25」である。DOS は、Windowsのようなグラフィカル・ユーザーインタフェースは有しなかったが、ビジネス・ユーザーからも、パーソナル・ユーザーからも幅広く受け入れられた。
その後、IBM PC互換機の登場により MS-DOS が標準的なパソコン用OSとしての市民権を獲得し、Windows 3.1 の登場によってパソコンの標準的な
OS は Windows に移行していく。
PC-DOSは、IBM 社が Microsoft 社から OEM 供給を受けて販売している DOS で、Microsoft が独自に販売している
MS-DOS に、IBM 独自の拡張が施されている。途中から IBM版 と MS版 に別れ、各々競合しながら進化していく。
その後、1985年に「Windows 1.0」がリリースされたが、稼動するアプリケーションが少なく、ユーザー・インタフェースもウィンドウをタイル状に並べる構造で、MS-DOSのシェル拡張機能の域を出ず、ブレイクするには至らなかった。1987年には現在と同じくウィンドウを重ね合わせる構造の「Windows
2.0」が発表された。プロテクトモードを使用してDOSの制限であった640KB以上のメモリが利用できるようになり、DTPなどの重いアプリケーションも稼動できるようになった。(詳細は省略。)その後バージョン2.1がリリースされた際に「Windows
286」と改名された。1987年にはIntel社の最新CPU、「80386」の能力を最大化するための「Windows 386」が発売された。この頃、日本では「DOS/V」とは非互換のPC-9801シリーズが全盛であり、NEC社は独自に「Windows
2.1」「Windows2.11」を開発していた。
○Windows 3.0 & 3.1
1990年に、「Windows 3.0」が出荷された。 エンジンの構造はまだDOSの延長上にあったが、Windows 95/98/Me と類似した機能とアイコン等のユーザーインタフェースを持ち、「プログラムマネージャ」、「ファイルマネージャ」等も加わり、使い勝手は格段に向上した。そして1992年に、筆者が始めて使用したWindows、「Windows
3.1」が発売された。このバージョンでは「True Typeフォント」などの新しいアーキテクチャーに基づく技術が採用され、安定性も向上した。この時期に、各ベンダーも
Windowsアプリケーションの開発に本腰を入れ始めた。
○Windows 95/98/Me
1995年には、現在のパソコンブームのさきがけとなる「Windows 95」が発売された。パソコンは、ビジネスの世界でも一般家庭にも、完全に浸透することになった。これに拍車をかけたのは、言うまでもなくインターネットであり、パソコンはコミュニケーションのツールとしても不可欠の存在になった。(「ダイヤルアップネットワーク」や「Internet
Explorer」は「Windows」本体ではなく、オプションの「Plus! 95」に同梱されていた。)
その後、1997年に「Windows 95 OSR2」、1998年に「Windows 98」、1999年に「Windows 98SE」、2000年に「Windows
Me」が発売された。個人向けOSとして位置付けられる、これらののラインは「Windows Me」で終了する。(「Windows Me」の後継OS
が「Windows XP Home Edition」である。)
○Windows NT & Windows 2000
以前のOSの資産やアプリケーションの互換性を引きずりながら拡張されてきた Windows 9x ファミリとは異なり、過去のしがらみを全く捨てて、純粋にOSに必要な機能を検討しデザインされたのが「Windows
NT」シリーズである。まず、1993年に「Windows NT 3.1」がリリースされた。このラインは、その後、「Windows NT 3.5」、「Windows
3.51」、「Windows 4.0」「Windows 2000」と続いていく。(「Windows 2000」の後継OS が「Windows XP
Professional」である。)
これらの2系統のOSを抱えることになったマイクロソフト社は、「Windows 2000」でカーネルの統合を試みた。しかし、互換性を保つのが予想以上に困難なため、この統合は次期OSまで延期された。つまり、「Windows
XP」は2系統のWindowsファミリーの統合版である。(構造的には、「Windows 2000」の後継OSである。)
マイクロソフト社の記述によれば、「Windows XP」には、エントリー/ホームユーザー向けを対象にした「Windows
XP Home Edition」、ビジネスユーザー向けの「Windows XP Professional」、そして「Windows
XP Tablet PC Edition」の3種類のパッケージがある。ここでは、「Windows XP Tablet
PC Edition」に関しては省略し前二者について記述する。
組み込まれているカーネル(中核プログラム)は同じである。しかし、ネットワークやシステムリカバリーなど、いくつかの機能に差がある。構造的には、「Windows
XP Home Edition」は、「Windows XP Professional」のサブセットである。
○どちらのバージョンを選択するか
スタンドアロンのアプリケーションやインターネット・クライアントとして使用するのであれば、「Home Edition」で十分といえるかもしれない。しかし、ネットワークの構築を前提としているケースやマルチプロセッサ環境のパソコンを使用するケースは、「Professional」を選択すべきだろう。また、最近の高機能ノートPCをフル活用する場合も「Professional」版を選択することをおすすめする。
○Windows XP の特徴
「Windows XP Home Edition」、「Windows XP Professional」で共に提供されている機能は次の通りである。
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| 高い安定性と堅牢性 | フリーズの少ない Windows 2000 のカーネルをベースとして開発。特に、Windows 98/Me のユーザーは、高い安定性を実感できる。 |
| 新しいユーザーインターフェース | 「スタートメニュー」から Windows XP やアプリケーションの機能を効率よく実行可能。もちろん、従来のアイコンベースのインタフェースもカスタマイズ可能である。 |
| ClearType | 新しいフォントレンダリング技術で、ノートPCや一部デスクトップPCの液晶画面上で、モノクロテキストを明瞭に表示させる技術。 |
| Windows Media Player for Windows XP | マルチメディア・データをを高度に処理するメディアプレイヤーが Windows XP に合わせて再開発された。さまざまな「スキン」の切り替えが容易にできる。 |
| Windows Messenger | インスタントメッセージング、音声/ビデオ会議、アプリケーション共有の機能を持った通信ツールの拡張。 |
| 簡単なネットワーク・セットアップウィザード |
家庭でもネットワークを簡単に構築し、ネットワーク上の周辺機器の共有ができる。 |
| 容易なワイヤレス接続 | 802.1x規格のワイヤレスネットワークの自動構成が可能。ワイアレス接続をOSレベルで標準化した。 |
| 起動パフォーマンスと電源管理の改善 |
従来の Windows に比較して、ACPIなどの技術革新により、起動とレジュームからの再開が著しく高速化された。 |
| マルチタスク/マルチユーザー対応 | ユーザーの切り替えがログオフなしでスムーズに行える。別のユーザーが、たとえばWebサイトからデータをダウンロードしている最中でも、ログオフなしで別のプログラムの実行が可能。 |
| インターネット接続ファイアウォール | インターネット接続時に、自動的に権限のないアクセスから保護。 |
| Internet Explorer プライバシーサポート | Webサイトアクセス時に、個人情報を保護。 |
| 全言語バージョン共通のバイナリを提供 | どの言語バージョンでも、任意の言語の入力が可能となり、任意の言語バージョンの アプリケーション(Win32)を実行可能。 |
| ヘルプとサポートセンター | トラブル・シューティングと充実したヘルプとサポートの提供。 |
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| マルチプロセッササポート | 1〜2つまでのCPUをサポートし、その上の Windows .NET Serverではさらに多くのCPUに対応。(Home Edition をマルチプロセッサPCで利用すると、シングルプロセッサでしか動作しないので注意。) |
| リモートデスクトップ | ネットワーク経由でデスクトップ画面にアクセスするためのサーバー機能。(Home Editionにはクライアント・ソフトウェアのみ提供のため、相手をログインさせることはできない。) |
| オフラインファイル |
ネットワークで共有されているフォルダやファイルを、オフライン時にも利用できるなように複製を作り、同期も取れるようにする。(ノートPCで利用する際に便利な機能。) |
| 暗号化ファイルシステム(EFS) | NTFSファイルシステムのファイルごとの暗号化機能。暗号化されたファイルは、暗号化した本人以外からは内容を見ることはできない。 |
| ファイルレベルのアクセス制御 |
共有しているフォルダ内をファイル単位でアクセス制御する機能。(Home Edition では、フォルダ単位のアクセス制御のみ。) |
| ドメインコントロールへのアクセス |
ドメイン管理のネットワークにWindowsXP Professional システムを参加させる機能。 Windows Serverドメインに参加させて、広範で強力な管理/セキュリティツールを利用可能。 |
| グループポリシー |
多数のPCグループやユーザーグループを一括管理を支援する機能。(ローカルポリシー制御は可能だが、グループポリシーの設定はできない。) |
| ローミングプロファイル | 多数のPCで同じユーザープロファイルを利用できる機能。(ユーザープロファイルをネットワークで管理することはできない。) |
| インテリミラー | PCの交換(移行)の際、同一環境のPCを作成するための機能。(PCの交換を頻繁に行うシステム管理者向け。) |
| リモートインストールサービス(RIS) |
Windowsを同じ設定で、ネットワーク経由で、多数インストールしたり、アプリケーションをネットワーク経由でインストールするための機能。 |
| マルチリンガルユーザーインタフェース(MUI) |
複数の言語を扱う機能。ダイアログボックス、メニュー、辞書、ヘルプファイルなどの言語も変更できる。 |
| 自動システム回復 | システム起動時に起動して、システムの異常を自動的に復旧させる機能。(上級者向け。) |
| ダイナミックディスク | HDD上に切ったパーティションの内容を変えずに、サイズを変更する機能。パーティションは連続した領域である必要はなく、別のHDDでも構わない。(システムがインストールされたパーティションは変更できない。) |
| C2レベルのセキュリティ | 米国防省が定めるC2レベルのセキュリティ基準に対応。 |
○新ユーザーインタフェース(UI)
Windows XP から「Visual Style」(スキンとも言う)が採用された。新しいユーザーインターフェイス(コードネーム:Luna)では、アイコンや操作ボタンをやや大きくしたり、アニメーション効果を多用して動作をわかりやすくするなど、ビギナー向けに使い勝手を改善している。さらに、システム設定などの操作については、コントロールパネルからこれまでより直観的に行うことができる。コントロールパネルを、これまでのようにアイコン表示(クラシック表示)に切り替えることもできる。つまり、「Luna」が気に入らないユーザーは、現行の
Windows インタフェースを使い続けることもできるのである。
Luna では、既存の Windows 2000 のコア(中核)部分に、操作用の「スキン」(皮)をかぶせることで、ユーザーインタフェースの容易な変更を可能にしている。「スキン」については、「Windows
Media Player」の最新バージョンでも10数種類提供されているので、どのような機能か理解いただけるだろう。この「見てくれ」の変更の柔軟性が新しいユーザーインタフェースの特徴なのである。そして、Windows
XP では、デスクトップテーマを切り替えることで、Luna 以外のユーザーインターフェイスを選択できるようにデザインされている。たとえば、テーマの中の「Windows
クラシック」を選択すると 従来の Windows(Windows 2000) に酷似したユーザーインターフェイスに切り替えることができる。なお、マイクロソフト社は、ユーザーインタフェースの大幅なカスタマイズは推奨していないが、インターネット上には、すでにさまざまなユーティリティがアップされている。
デスクトップ上のアイコンをクリックする操作に慣れているユーザー(特に、Windows 98/Me ユーザー)にはいささか迷惑なインタフェースかもしれないが、Windows
のユーザーインタフェースは、まだまだ進化の途中にある。使い慣れれば、それなりのメリットが理解できるようになるだろう。
○安定性と堅牢性
Windows 2000 ユーザーは体験済みだろうが、「フリーズしない/停止しない」のが最大の特徴であり、下記の理由から Windows
98/Me ユーザーは、Windows XP ベースのPCに移行すべきであろう。

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1
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セーフモード | 各種ドライバを読み込みを最低限に抑えて、Windows XP を起動。(読み込まれるのはマウス、キーボード、モニター、大容量ディスク。) |
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2
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セーフモードとネットワーク | セーフモード+ネットワークコンポーネントを読み込んで起動。(ネットワーク接続ができるようになる。) |
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3
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セーフモードとコマンドプロンプト | 起動デバイスを制限してシステム起動を試みるセーフモード+コマンドプロンプトを起動。(パワーユーザー、管理者向け。) |
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4
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ブートのログ作成を有効にする | Windows XP 起動時に読み込みの対象になったすべてのドライバとサービスの読み込み結果をログして起動。(「%systemroot%\ntbtlog.txt」ファイルに記録する。) |
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5
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VGAモードを有効にする | ビデオドライバに問題が起きた場合や画面解像度の設定を間違えた場合、最低限のビデオ機能を使用して起動。(640x480ドット) |
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6
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前回正常起動時の構成 | 前回正常起動した時の情報に基づいてXPを起動。(レジストリファイルの内容を最後にまともに起動した状態にもどす。起動時の問題解決用。) |
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7
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ディレクトリサービス復元モード | ドメインコントローラが使用する「SYSVOL」フォルダとアクティブディレクトリを復元する。(管理者向け。) |
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8
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デバッグモード | システム起動の情報をシリアルケーブル経由で別のパソコンに送信しながら Windows XP を起動。(問題判別用。) |
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9
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Windowsを通常起動する | 特定のオプションを選ばずに、Windows XP を起動。 |
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10
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再起動する | パソコンをリセットする。 |
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11
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OS選択メニューに戻る | 先のOS選択メニューに戻る。 |
○起動パフォーマンス
Windows XP の「売り」の一つに、起動パフォーマンスの改善がある。
Windows XP では、起動直後にHDDから読み出されるデータの全てを、「ブートローダー」(NTLDR)がメタデータとしてキャッシュするため、起動時のHDDへのアクセスが軽減される。さらに、デバイスの初期化とデバイス入出力アクセスを効率化し、起動時に必要のないプロセスを削除し、他のサービスの起動を遅らせる、などの工夫と技術面での改善により、Windows
XP の起動を最適化している。
これらの技術は、「OnNow」や「ACPI」(Advanced Configuration and Power Interface)などの技術をベースにして実現されており、これらは、スタンバイ状態や休止状態からの復帰時間の短縮にも寄与している。
なお、「Bootvis.exe」をダウンロードし実行すると、Windows
XPの起動とレジューム時のプロセスをトレースし、CPU使用率、Disk I/O、Driver Delays、Resume
Activity などの情報を時間連動式グラフで表示することができる。
○DOS窓
Windows XP でもDOS窓は提供されている。
DOS窓は、スタートメニューから「すべてのプログラム」>「アクセサリ」>「コマンドプロンプト」をクリックすると起動する。DOSの機能はOSがバージョンアップするにつれて制限される傾向にあるようだが、「XP」ではコマンドプロンプトでの入力インタフェースが次のように改善されている。