Windows Me レビュー

2000年9月から発売されているWindows Me(Millennium Edition) についての評価です。より詳細な情報を入手したい方はパソコン雑誌の特集記事やマイクロソフト社のHPを参照してください。問い合わせはこちらまで

●Windows Me の位置付け

Windows Me は、ウインドウズ9x の最後のOSである。プレスでも発表されているとおり、マイクロソフト社は、企業ユーザー向けに Windows 2000、個人ユーザー向けに Windows Me を推奨している。次のOSでこれらは統合される予定である。(Win2000の後継OSに吸収される。) しかも、後述するとおり、Meは、Win98のマイナーチェンジ版であることは否めない。筆者の感覚ではWindows 98 TE(Third Edition)と呼ぶべきレベルの拡張しか行っていない。個人ユーザーは、Meにアップグレードするか、Win2000にアップグレードするか、大いに悩むところである。(個人的には、安定性の高い Win2000を推奨したい。) いずれにしても、この5年間で、Win95、98、98SE、Me、NT、2000 と、概観はよく似た方向性の異なるOSが混在することになり、ユーザーにとってもメーカーにとっても、決して好ましい状況ではなくなっている。(ドライバーが異なることに起因するトラブルの多発や頻繁なアプリケーションの書き換えなど、ユーザーだけでなくハード・ソフトのメーカーにも負担をかけることになっている。)一刻も早い統合が望まれる。 

次に、Windows 98 ユーザーの視点から、Windows Me の特徴をまとめておく。

●新機能・拡張機能


マイクロソフト社の製品紹介によると、「手軽にパソコンを楽しむためのホームオペレーティングシステムで、Windows 98の機能に加え、パソコンの操作をよりシンプルに、手軽にデジタルメディアを楽しむための新しい機能を搭載。インターネットコミュニケーションツールも統合し、ホームコンピューティングに最適な環境を提供する。」とのことである。パフォーマンスについては特に記述が見つからなかったが、リソースの使い方が、Win98より効率的になったらしい。(未確認情報。)
具体的には、次のような機能強化が図られている。

○コントロールパネル

表示を改善しシンプルになった。「ダイヤルアップネットワーク」と「タスク」が、「マイコンピュータ」から「コントロールパネル」へ移動した。「フォルダオプション」、「自動アップデート」、「タスクバーと[スタート]メニュー」のプロパティが 「コントロールパネル」に追加された。

○スタートメニュー

頻繁に利用するメニューを優先的に表示する学習機能が追加され並べ替えを選択できる。階層メニューは展開するかどうか指定できる。「設定」には、「コントロールパネル」、「ダイヤルアップネットワーク」、「プリンタ」、「タスクバーと[スタート]メニュー」が入る。

○ヘルプとサポート

「ヘルプ」が「ヘルプとサポート」に拡張された。パソコンにない情報はオンラインでの参照もでき、迅速な問題解決ができるらしい。「ツアー&チュートリアル」も追加されコンテンツは充実したが、パフォーマンスが著しく低下しておりとにかく遅い。

○システムファイルの保護

アプリケーションの追加や削除の際に、システムファイルが書き換えられないように監視する。システムファイルを書き換えるアプリケーションはインストールできなくなるかもしれない。

○システムの復元

システムの設定情報やファイル構成を任意のタイミングで保存し、後で復元することができる。深刻なトラブルに見舞われた場合などに、情報を保存した状態にもどすことができる。(1週間前、1ヶ月前など、特定の日時の状態にもどすことができる。)

○自動アップデート(Windows Update の拡張)

コントロールパネルに「自動アップデート」が追加され、Windows に変更があっても自動的にアップデートをダウンロードしてくれるように設定できる。(この機能をオンにするとタスクバーに状態表示と設定のミニアイコンが表示される。)

○ホームネットワークウイザード

家庭内LANの構築が容易にできるよう、「ホームネットワークウイザード」が「ネットワーク」に追加された。インターネットを経由する場合も容易に設定できる。使用するネットワークデバイス、コンピュータ/ワークグループ名、共有フォルダなどの設定やネットワークに接続する他のパソコンを定義するためのフロッピーも作成できる。(ファイルやプリンタの共有、インターネット接続をシンプルな操作で実現できる。)

○WMM(Windows Movie Maker)

ビデオやスライドショーを作成する機能が「アクセサリ」に追加された。デジタルカメラやスキャナーからの画像を取り込み、組み合わせてスクリーンセーバーを作ることもできる。

○WMP7(Windows Media Player 7)

Win98でも稼働する統合型マルチメディア再生機能(新バージョン)が提供され、音楽CDの再生や音楽CDを高音質で保存するなどの機能が追加された。音楽やビデオ情報の「メディアガイド」も統合された。

○最新のインターネットツール

IE 5.5(Internet Explore 5.5)やOutlookExpress 5.5 をはじめインターネットのコミュニケーションツールが最新版にアップした。IE5.5 は、Win98でも稼働するが、やっと「印刷プレビュー」が可能になった。OE5.5 では、やっと接続中の操作が可能になった。

○検索

検索機能が統合され、「ファイルやフォルダ」、「コンピュータ」、「人」、「インターネット」が同一ウインドウからサーチできる。ただし、エクスプローラとマイコンピュータの「ツール」にあったファイル/フォルダの「検索」が消えたため、右クリックまたはスタートメニューから起動する。

○スクリーンキーボード

「ユーザー補助」に3種類のスクリーンキーボード(101/102/106)が追加された。ただし、実キーボードとは操作が一部制限されるところもある。(「カタカナ」モードなど。)

○ネットワーク対戦ゲーム

インターネットを通じて対戦可能な5種類のゲーム(「インターネットxxxx」)が追加された。(バックギャモン、チェッカー、ハーツ、スペード、リバーシ。)

○最新のDirectX

DirectX 7.1を標準で搭載している。

●その他の変更

○システム設定ファイル

Config.sys が空になった。Autoexec.bat もコンパクトになっている。DOS環境が制限され、やがて消えることを暗示させる。(中途半端に残っている印象を受ける。)

○起動用フォーマット

フォーマットから「起動用フォーマット」メニューが消滅した。「Sys」コマンドは、起動ディスクから起動ドライブ(C:)にシステムファイルを転送する場合に制限されるので、他の目的で起動用フロッピーを作成する場合は次のように行う。

1.フロッピーディスクをフロッピードライブにセットする。
2.「スタート」>「プログラム」>「アクセサリ」から「MS-DOS プロンプト」を起動する。
3.C:\WINDOWS>format a:
4.C:\WINDOWS>cd command\ebd
5.C:\WINDOWS\COMMAND\EBD>copy io.sys a:
6.C:\WINDOWS\COMMAND\EBD>copy command.com a:

BIOSのアップデートは、起動ディスクで起動しブートメニューで「Prompt only」を選んで、プロンプト(A\:)から更新プログラムを実行すればよい。

○起動用ディスク(フロッピー)

起動用ディスクは、1枚に統合された。

○DOSプロンプト

プログラムメニューからDOSプロンプトアイコンが消えMS-DOSモードは消滅したように見えるが、Command.com を実行すればDOSプロンプトを開ける。終了ダイアログからもDOSへ行くメニューが消えた。

○ドライブスペース

リムーバルドライブ(FD、MOなど)の、ドライブスペースで圧縮されたファイルを読み取る機能と圧縮率を変更する機能が提供される。(HDDを圧縮する機能はない。)

○電卓

「表示」から桁区切り表示を指定すると「123,223」のように表示される。

○壁紙

「マイコンピュータ」の「マイピクチャー」の画像は、「画面のプロパティ」から背景に設定できる。

○起動と終了

起動時のロゴは当然変更されたが、「Windowsの終了」方式がチェックボタンからリストボックスに変わっている。

○Microsoft Plus! 98

Plus! 98 をインストールしているパソコンに Me をインストールすると、「アプリケーションの追加と削除」の一覧から消えてしまう。スタートメニューには存在している。(一部の機能が Me に吸収されたと思われる。) 

○ベンチマーク

「System Information」にベンチマーク機能が追加され、「マイコンピュータ」を右クリックして選択できる。

● Windows Me のDOSに関して

○起動オプション

MS-DOS モードで再起動するオプションがなくなりました。スタートアップメニューにも「Command Prompt Only」はありません。リアルモードのDOSが必要なら、起動ディスクで起動してください。

○「Autoexec.bat」と「Config.sys」

Windows Me は起動を高速化するため、起動時のリアルモードサポートが削除された。このため、「Autoexec.bat」と「Config.sys」を読み込まないので、「Config.sys」を使用するアプリケーションや16ビット デバイスドライバを登録することはできない。どうしてもこれらの機能を使いたい場合、Windows Me のシステムファイルを直接変更することで、リアルモードを使用可能にするユーティリティをダウンロードしてください。(ただし、トラブルが発生してもサポートできません。)
また、「Autoexec.bat」に記述されている「Prompt」、「PATH」などは、「システム設定ユーティリティ」(Msconfig)の「環境」タブから設定変更することが可能です。(「Autoexec.bat」で「SET」 コマンドを使って登録された環境変数はレジストリの環境変数設定に変換される。)「Autoexec.bat」「Config.sys」と、レジストリの内容を同期させるには「Regenv32.exe」 を実行する。

○EMSメモリ

次のように、「pif」ファイルの「メモリ」タブで設定することができる。

1.16ビットプログラムまたはバッチファイルを右クリックし、「ショートカットの作成」をクリックする。
2.作成された「pif」ファイルを右クリックして、「プロパティ」をクリックして設定する。ただし、EMSページフレームを確保できない場合は、利用できない。(基本メモリの:C0000 から DFFFFの間で 64KB の連続領域を確保しなければならない。) 参照:ここ

●インストールの際の注意事項

まず、MS社の「Windows Me ホームページ」でインストールとアップグレードに必要な情報を収集してください。

○事前チェック

Windows 2000 の出荷時と同様、一部のソフトが稼働しない等のトラブルが発生している。インストール前に「マイクロソフトテクニカルサポート」やパソコンメーカーのサイトの情報を是非参照して欲しい。(新規インストールもアップグレードの場合も注意が必要。)

○CD-ROMのファイルの情報

事前チェックの情報に加え、Windows Me のCD-ROMの中にある次のファイルを参照して欲しい。(「Q:」はCDドライブ名に置き換えてください。)

1.Q:\Readme.txt    (readmeファイルの一覧)
2.Q:\Setuptip.txt   (インストールの準備とセットアップのチェックリスト)
3.Q:\add-ons\document\textfile\hardware.txt など(C:\Windowsにコピーされるファイル)
4.Q:\win9x\Setup.txt (セットアップの際の注意事項)

筆者のパソコンは、Windows 98 SE からアップグレードしたが、プリンタが停止する、キーボードの配列が異なり変換・無変換キーが効かない、という2つの問題が発生した。これは、ドライバの更新を行って正常に稼働するようになった。さらに、特定のアプリケーションを使用している際に、CPU使用率が100%になる現象も確認している。マイナーチェンジバージョンといわれるが、変更された仕様がアプリケーションに影響を与えているらしく、インストール後も慎重に観察していく必要がありそうである。

なお、2001年には後継OSが発売になる予定であり、無駄な投資を控えたいと考えるユーザーも多いと思う。後継OSへ移行するための環境整備という意味では、Win2000に乗り換える方が適切といえるかもしれない。ただ、Win2000へのアップグレードは、ファイルシステムをはじめ内部的にかなりの変更が生じ、メンテナンスのノウハウなども新たに習得しなければならない。この観点では、ビギナーには、これまでの知識がそのまま生かすことができる(ほとんど変わっていない)Meを推奨したい。上記の「新機能・拡張機能」に是非使いたいものがあれば、アップグレードを検討してみてはいかがでしょう。