パソコンの選び方

初めてWindowsパソコンを購入する方、買い換える方のためのガイダンスです。このページは予告なく変更されます。) 問い合わせはこちらまで


* パソコン販売店/販売会社の方へ

 企業向けパソコンと異なり、個人向けの機種は、ハード/ソフトのオプションが豊富です。コンピュータの専門知識をもたないビギナーが、パソコンを購入する際に、次のような事項について知りたがるのは当然のことです。ビギナーにも分かりやすく説明できるよう販売員の教育を行い、相談窓口を設けていただきたい。そして、顧客の要望を把握した上で、適切な仕様を推薦していただきたい。

1.要望に合致するパソコン本体の最低限の仕様(ハード/ソフト)
2.CPU、HDD、メモリーの拡張性
3.カードスロットやポート数の限界(特に薄型デスクトップやノートに関して)
4.プリンター、スキャナー、CD-RW/DVD などの周辺機器の選択と接続方法
5.デジタルビデオ/デジタルカメラとの接続性
6.テレビやオーディオとの関連
7.インターネットプロバイダーの選択と接続方法(ISDN、ADSLなど)の選択
8.付属品(マウスパッド、テンキー、USBハブ、クリーニングキットなど)の選択
9.保証、アフターサービス、メンテナンスの方法



●初心者向けのパソコンとは?

「ビギナー向けのパソコンは?」という問い合わせを受けることがあります。市販のパソコンは、使用している部品のグレード、処理能力、バンドルされているソフトの豊富さなどが異なるだけであり、入門用パソコンとか初心者向けパソコンというものは存在しません。安価で、能力が小さく、ソフトの数が少ない構成のものが使いやすく初心者向けである、と考えるのは間違いです。Windowsが搭載されたパソコンの使い方は基本的に皆同じです。一般に、これらは初心者向けではなくローエンド・パソコン、処理能力の大きなものはハイエンド・パソコンと呼ぶのが正しいといえます。ビデオキャプチャーなどのオプション・デバイスが最初から組み込まれているスペックのものは、高機能・多機能パソコンと呼ぶことができます。つまり、メーカー側は、処理能力の大きさ、装備されているオプション機能、バンドルされているソフトウェア群の豊富さにより、機種・モデルを戦略的に差別化し、必然的に価格も変える、ということなのです。
ビギナーは、低価格のローエンドパソコンを購入する傾向が強いのですが、筆者の経験では、ビギナーこそ処理能力の限度を考えず予期せぬ使い方をしてトラブルを招くことが多いのです。そうしたリスクを考えて、能力に余裕のあるモデルを選択する必要があります。

●型別パソコンの特徴
 
まず、メーカー製パソコンは、保証書に明記されていない限り、ハード、ソフトのアップグレードは保証されません。仕様書にないCPUの交換やメモリの交換・追加、OSのアップグレードにより障害が発生しても自己責任となります。メインボードの仕様が公開されていればユーザー側でアップグレードすることも可能ですが、ほとんどのモデルは、通常コストダウンのために機能限定の特注ボードを使用しています。このため、めざすアップグレードに対応しているのかどうか、どこをどう変更すれば対応できるのか、一般にはわかりません。したがって、メーカー製パソコンのCPUやメモリを交換・追加するなどの拡張やOSのアップグレードを行う場合には、事前にパソコンメーカー、部品ベンダー、OSベンダーから、稼働実績や不具合の情報を入手してください。

○デスクトップ型

デスクトップPCのメリットは、汎用性と拡張性です。ほとんどの部品は交換やアップグレードがしやすく、新しい部品はまずデスクトップ用に開発されるため、新しい技術を早く導入できタイムリーに最高性能を追求することができます。(メーカー製の場合は、上述のように、モデルごとに拡張の制限が異なるので注意。)しかし、ルックスや大きさはどれも似通っており、動作音が気になる、電源プラグが複数必要になるなどのマイナス面もあります。まだ、どのような分野に使っていくのか明確でないユーザーやビギナーにはおすすめです。設置スペースを工夫して、拡張性に富むATX型またはMATXのタワー型を購入することをおすすめします。

○省スペースデスクトップ型

最近、小型のユニット、薄型モニター、テンキーレス・キーボードを組み合わせた省スペース型のモデルも販売されています。モニターが液晶のもの(LCD)が主流になりつつあります。平面ブラウン管(CRT)を組み合わせるとコストダウンが図れます。違いをようく比較してください。液晶モニターを採用している機種は、概観がスマートで人気があります。最近、液晶モニターは低価格化が進行しており、お買い得かも知れません。

この種のパソコンを選択するポイントは2つである。

1.カードスロットの追加や内蔵HDDの追加に制限がある。
2.部品の集積度が高く、冷却ファンが小さく、ケース内の温度が上がりやすい。

つまり、USB機器以外のデバイス(たとえばサウンドカードやSCSIカード
など)を追加する場合や長時間稼動を前提とする場合は、スペック上無理がある、ということである。こうした、拡張性と危険性を考慮してください。

○一体型

本体とモニターを一体化した、ノートPCとデスクトップPCの中間形態で、液晶モニターモデルの省スペース度は高い。(最近はこのタイプは稀である。)このタイプは、各メーカーのデザイン力やユニークネスが明確に出てしまうため、デザイン性を求めるユーザーには好き嫌いがはっきりしてしまう製品です。交換やアップグレードができない機能が多いため、それらが将来も満足する高い性能を持っているかどうかが、選択のポイントになるでしょう。ボタンや端子などのインタフェースの位置と種類、キーボードの使い勝手、音質、モニターの高さや表示能力など、交換しない・できないということを前提に厳しくチェックし、コストパフォーマンスを十分に検討してください。

○ノート型

ノートPCのメリットは省スペースと携帯性です。しかし、デスクトップ型と同じ処理能力を持つノート型パソコンは、従来から2倍近い価格があたりまえでした。しかも、同じスペックならデスクトップのほうが明らかに速い。それだけ、小型化や耐熱技術のコストが上積みされているということであり、まだまだ「高い」という印象は拭えません。(実際は驚くほど安くなっています。)

初心者がノートパソコンを購入することはリスクが伴うと考えてください。筆者もモバイル以外は、つまり外出先で使用する場合以外は、ノートパソコンを使いません。理由は使い難いからです。キーボードの位置を変えられない、テンキー、マウスが付いていない、(最近のモデルは改善されてきましたが)ちょっと角度を変えると液晶画面が見難い、小さい。(ただし、ブラウン管より眼に優しい。)本体からの放熱もデスクトップより少ない。(ただし、長時間使うと猛烈に熱くなる。)持ち運びは便利だが、ACアダプタを使わないでバッテリーで使用すると意外に早くパワーが切れる。DTP、CADなどには明らかに不向きです。

ノートパソコンを購入する際にいっしょにプリンターを購入するユーザーは多いが、パソコン・ラックも購入するユーザーはほとんどいません。ノートパソコンの利点は、すぐにたたんでしまえるという事ですが、据え置くならプリンターのスペースが加わり、マウスパッドも考慮すると以外に設置面積が必要だということに気づきます。マニュアルや付属品の収納先も考えねばなりません。勤務先のオフィス環境では、盗難防止用の鍵付チェーンをつけるような配慮も必要になります。冷却用のアクセサリも検討する必要があるかもしれません。それでも、デスクトップPCに比較すると省エネ、省スペース、静音は魅力です。

最近は、海外メーカーを中心に低価格化が進行し、購入時にスペックの変更も容易になりました。15インチ以上のLCDを装備した、大きめの「デスクトップノート」と薄型のノートが、共に主流になりつつあります。いずれを購入するにしても、ノート型のメリットとデメリットを共に検討してから購入することをおすすめします。

○モバイルPC/PDA

機種によって使用するOSやアプリケーションが異なるため、単純な比較はできません。WindowsCE、32MB-RAMの搭載されたV社のモバイルを使用した筆者の経験からコメントします。

メリットとしては、

1.とにかく軽くて持ち運びに便利。
2.HDDから読み込みを行わないため起動が著しく速い。(数秒)
3.パソコンとの転送が容易にできる。
4.アプリケーションの互換性があれば、パソコンとのデータ交換が簡単。(MS Off○ce など)

デメリットと考慮点を上げると、

1.データ保存領域が小さいのでオプションのメモリーカードを装備するなどの工夫が必要。
2.RAMに保存されたデータファイルは、電池が切れると簡単に消滅するのでパソコンのHDDに転送しておくなどの配慮が必要。
3.インターネット(メール、WWW)などはメーラー、ブラウザの機能が限定されているため、添付ファイルやマルチメディアデータの表示・再生に制限がある。
4.不具合があっても「Windows Update」のような自動更新やアップグレードはできない。
5.一部の機能を除きソフト、ハードに関して、本体内部の拡張はできない。(接続インタフェースも限定される。)
今後、ノート型、ハンドヘルド型との分類と使い分けがますます難しくなってくるでしょう。

最近のPDAに関しては、店頭で十分に研究してから購入することをおすすめします。

○自作について

最近は、DOS/Vパソコンを自作するユーザーが増えてきました。専門知識が無くても、ショップブランド等の安価なキットを購入し組み立てながら仕組みを勉強する、あるいはショップの組み立て教室で組み立ててから購入することもできます。組み立て自体は1時間程度で完了します。解説書が添付されたキットであれば問題なく完成させることができるでしょう。自分の好みの仕様に仕上げたい方、早く上達したい方には特におすすめします。(参考:パソコン製作
 
●カタログの見方

初めて購入するユーザーは、まず、同じ価格帯の製品カタログを並べて比較検討しても、カタログの内容からだけではその製品の能力はわからない、ということを理解してください。(処理能力については別項を参照してください。) というのは、メーカーのカタログには、そのパソコンの価格(オープン価格を除く)、基本仕様、特徴、良い部分のみが記載されています。都合の悪い部分やユーザーが読んで疑問を抱くような事柄はすべて削除されるか、さしさわりのない表現に修整されます。(どれだけ忠実に表現するかは企業により差がある。)

例えば、CPUの製品名は明確に表示しますが、処理スピードのボトルネックとなるHDDについては、「Ultra ATA対応 20GB」のような表現を使っている場合が多い。最近主流の「Ultra ATA 100」であればそのように表示するはずですから、この場合は遅い「Ultra ATA 66」仕様の可能性が高い。逆に、古い Ultra ATA 66 用のボードを採用している場合は、Ultra ATA 100 のHDDを接続しても、当然、Ultra ATA 66以下の能力しか期待できない。

そして、HDDを自社製造しているパソコンメーカーはI社、F社、N社、T社などに限られ、それ以外のメーカーは他社製HDDを内蔵しているはずです。しかし、それらの製品名・番号や仕様については表示しない場合が多い。「Ultra ATA 66」仕様のHDDは市場から姿を消しつつあり、結局売れ残りHDDを組み込んだ「余剰在庫一層モデル」の可能性が高い。(そうじゃない場合もありますが、メインボードのチップセットなどの情報がないと分からない。この辺りはメーカーの良心に期待するしかないようです。) また、「Windows XX の下ではXXXXの制限がある...」といった制限事項などもカタログには記載されません。(メーカーのWebサイトの技術情報を見ないとわからない場合が多い。)

処理速度のデータなども記載している場合がありますが、多くの場合、テスト環境や設定条件の明細が表示されておらず、優劣を判断する材料にはなり難い。ノートパソコンのバッテリー駆動時間など、まさにメーカーによってはピンキリの数字が多い。高額重量のオプションバッテリーを装備した際の最長駆動時間を堂々と最初に掲載している製品もある。この場合、標準バッテリーで使い続けて何時間稼働するのかを見抜くことが難しいのですが、筆者の経験では使い続けるとカタログ値の1/2から2/3程度で切れました。さらに、パソコンメーカーのバッテリーは、充電を繰返すうちに徐々にフル充電できる容量が減ってきますが、この種の情報はなかなかディスクローズされない。半年使わないと、バッテリーがまったく充電しなくなるケースもある。(最近の携帯電話などではほとんど購入時点の性能を維持できるバッテリーを使っている製品も増えているのに、パソコンメーカーにもがんばって欲しいものです。)
結局、カタログからわかることは次のとおりです。

1.基本仕様がそれなりのものか(価格相当の機能・容量を装備しているか)
2.添付ソフトは何か(足りないソフトは何か)
3.あらかじめ付いているオプションは何か(足りないオプションは何か)
4.制約・制限は何か(最後の部分に「*」や「注」付きで読ませたくないような小さな文字で記されている、これが重要。)

カタログだけで判断せず、展示品を操作してみる、インターネットで問い合わせてみる、店員に訊いてみるなど、できるだけ多くの情報を収集してから決めてください。(お店の店員は、お店の在庫数やイベントなどの都合によりすすめるモデルが変わる場合があるので、信頼できる・相談できる専門ショップの専門技術員を見つけることが大切です。)

○カタログには記載されないが重要なポイント

1.電源供給の安定度

本体から電源を供給するUSB機器をいくつも接続するような構成を考えているユーザーは、注意してください。最近は、PS/2ポートがなく、マウスやキーボードなど、すべてUSBポートに接続する構成が多い。電力の供給量が上限に近づくと、CDが読めない、キーが効かないなどの現象が発生する場合がある。安価なパソコンは、特にこの傾向が強い。

2.モニターの品質

最近の主流である液晶モニターには、アンチグレアタイプと光沢タイプがあり、目的に応じて選択することになる。表面のコーティングも微妙に異なっている。反射の具合や輝度を上げた際の変化も各々異なるので、十分比較してください。最大解像度の品質もチェックしてください。

3.必要なポートの有無と場所

よく抜き差しするポートや端子が背面にあると使いづらい。USBメモリーなどを多用する場合は、前面にポートがあるほうがよい。音楽派にはヘッドフォン端子の場所は重要かもしれない。

4.ケースの型

ケースの上にモノを置くということは好ましいことではないが、どうしてもそのスペースが必要なら、平面でなければならない。カタログ上の奥行きは、ケーブルをすべて接続した上での数字ではない。


●目的別チェックポイント

パソコンで何をしたいのか。これが購入時点で明確になっている人は、下記のようなポイントを重点的に評価すればよい。よくわかっていない人は、当面使う可能性の高いソフトと拡張性をチェックすることをおすすめします。

○ビジネス派
キーボード、ポインティング・デバイス、ネットワーク機器(LANカード)
ソフト:ワープロ、表計算、データベース、インターネット・ブラウザ、スケジューリングなど

○インターネット派
メモリー、通信デバイス(モデム、TA)
ソフト:メーラー、インターネット・ブラウザ、HPビルダー、素材、FTP

○DTP派
HDD、メモリー、スキャナー、描画ボード
ソフト:パブリッシング、フォトレタッチ、イラストレート

○マルチメディア派(音楽・ビデオ編集中心)
CPU、HDD、メモリー、高速インタフェース(IEEE1394、高速SCSIなど)、サウンドカード、スピーカー、DVDドライブ、CD-R/RWドライブなど
ソフト:各種オーサリング、各種CD作成

○ゲーム派
モニター、グラフィックアクセラレータ、DVDドライブ、入力デバイス(ジョイステックなど)
ソフト:3Dゲーム
CPUにより対応するグラフィック機能が異なるので注意!

○CAD派
高速SCSI、HDD、メモリー、グラフィックアクセラレータ、モニター、電源

●パソコンの処理能力

パソコンの処理能力については、本来は、さまざまなパソコンに同じ条件下で同じ仕事をさせて処理時間を計測しその結果を比較するのが理想です。(ベンチマークテスト) しかしこのような情報を購入前に入手するのは現実には不可能です。したがって、次のように主要構成部品のそれぞれの能力を見て総合力を評価することになるでしょう。一般に、数字が大きいほど処理能力は高くなります。

CPUの速さはパソコンの処理能力を決定する重要な要素の一つではあるが、全てのパソコンのスピードを決定するものではありません。CPUの技術革新は凄まじく、例え現在最速のCPUを選んでも、1年後には必ずもっと速いCPUが出る。無理に高額・高スペックのCPUを選ぶ必要はないだろう。画像処理の能力はグラフィック・アクセラレータに依存し、起動時の読み込みやアプリケーションの立ち上げ等はHDDの読み込み速度に依存する。また、最近は安価なCPUを搭載した10万円前後のパソコンが良く売れている事からも高スペックにこだわらないユーザーが増えていることがわかる。
さらに、CPUで削った予算で、メモリを追加する、オプション機能を充実させる、周辺機器を高スペックにするのも良いだろう。

○CPU
車に例えるとエンジンに相当します。能力は、数年前は300MHZ、733MHZ(メガヘルツ)、2.0GHZ(ギガヘルツ)のように表します。
最近は、ローエンドでも1.XGGHZ、ハイエンドで2.5GHZを越える。

○メモリ
64MB、256MBのように表します。数年前は、SDRAM(PC100、PC133)が主流であったが、最近は、DDR SDRAM DIMM 128MB PC3200 などの高速メモリも採用されている。ローエンドでも最低128MB、ハイエンドは、マルチメディア処理中心なら256〜512MB程度は欲しい。

○VGA
AGP 2x/4x、VRAMが8MB、64MB のように表します。
標準で8MB、リアルな3Dゲームが中心なら64MB以上搭載したい。(使用するソフトの稼働条件をチェックすること。)

○HDD
転送能力はUltra DMA(ATA) 66、100、133、保存能力(容量)は20GB、120GB(ギガバイト)のように表します。ローエンドやノート型でも最低20GB、マルチメディア処理中心なら最低40GBは搭載したい。最近は、高速のシリアルATA接続タイプのものを標準装備するタイプも増えてきた。

○CD-ROM、DVD-ROM
XX倍速で表示しますが、20倍速でも50倍速でも実質的な違いは感じられないのが普通です。
CD-ROMを頻繁に参照するソフトを使用するのでなければ、処理能力に与える影響は少ない。DVD-ROMを接続する場合は、CPUの能力によりデコーダカードが必要になる場合もある。最近は、マルチドライブが増えているので、書き込みの安定性やサポートするメディアの種類にも注意して欲しい。

実際には、パソコンを使用する場合は、これらの能力が複合して発揮され処理されます。CPUの能力だけが傑出していても、その他の能力が低いと、処理全体が終了するまでの時間は期待したほど変化しません。(CPUの処理時間だけは短縮できる。) 例えば、ワープロ・ソフトを使用して文字入力を続けている場合には、どのグレードのパソコンでも、能力の差はほとんど感じられないのが普通です。ところが、ページが増えたり画像を挿入したりして文書の容量が増えるに連れて、スクロール速度が少しずつ鈍くなり、画像の表示も遅くなってきます。この段階で、処理能力の差が認識できるようになり、その重要性がわかってきます。(搭載メモリの少ないパソコンはここでフリーズする可能性が高くなる。) 処理能力の低いパソコンで、動く限り入力し続けるのは大変危険です。処理能力の限界を考慮して、文書ファイルを分割したり、画像の容量を落としたり、遅くなってきたら頻繁に保存する、などの配慮が必要になるのです。さらに、サウンドの録音、映像の編集などの処理を行うには、それぞれの機能のグレードが高いパソコンを使わないと仕上がりの品質は保証されません。(○Xで評価すると○になってしまうのが恐ろしい。日本のユーザーが経験する落とし穴である。)

したがって、こうした処理の重さ(負荷)や大きさ(容量)を理解していない初心者は、ローエンド・パソコンよりも処理能力にゆとりのある1ランク上のモデルを購入することをおすすめします。
 
●パソコンのオプション
 
まず、製品カタログを最後までよく見て、あらかじめ付いているオプションと追加購入しなければならないオプションを明確にしてください。デジカメがあるから購入するパソコンにそのまま取り込めるとは限りません。(シリアル接続では遅くて使えないとか、IEEE1394のポートが無いと取り込めないとか、互いの仕様をすり合わせ、接続コードやソフトも新規購入しなければならない場合もある。)
ここでは、通常、ローエンドでは標準装備されていない汎用オプションを紹介します。パソコン本体にお金をかけ過ぎ、期待したことを実現するために必要なオプションが購入できない、などということがないように慎重に検討しましょう。筆者の経験では、後になって追加購入するオプションやアプリケーションの金額合計は、パソコン本体の価格を超える場合が多い。したがって、本体購入時にオプションも検討し、できれば同時購入することをおすすめします。

○高機能プリンター(写真画質、A3対応、ポストスクリプト対応など)
○高品質大型ディスプレイ・液晶モニター
○スキャナー(フラットベット、ハンディ、フィルム用など)
○デジタルカメラ+接続デバイス
○グラフィックアクセラレータ(4x、32MB、64MB)
○ビデオキャプチャー・デバイス(動画用、静止画用)
○TVチューナー・カード/FMチューナー・カード
○CD-R/RW、DVD-RAM/ROM、DVD-R/RW、DVD+R/RW、各ドライブやマルチドライブ
○MDドライブ
○ZIP、MO、内蔵・外付HDD、PD、フラッシュメモリ、PCカードメモリ 
○高品質サウンドカード(デジタル入出力付き)
○MIDI入出力デバイス+マイク
○高出力アンプ&高品質スピーカ(4.1ch、5.1chなど)
○イラストボード、ペン入力デバイス
○多機能マウス、ゲーム用入力デバイス(ジョイスティックなど)
○TV会議用ビデオカメラ
○音声入力デバイス+専用マイク
○ADSL/CABLEモデム、ISDN用のTA(DSU付きターミナルアダプター) など
 
上記のオプションは、空スロット・空ポートの不足、リソースの不足などの制約がない限り、どの機種にも追加することができる。(それぞれのオプションの対応機種の情報を確認してください。) 
なお、メーカー製品独自のオプションもあります。よく、「ボタンひとつでインターネット!」といったキャッチコピーのCMや広告が目につきますが、マウスをクリックしてインターネットブラウザを起動したりHPにアクセスする処理が、オプション・ボタンからでも可能だということであり、そのような機種限定のオプション(ワンタッチキー)が組み込まれているということです。このオプションによって、インターネットの設定作業やブラウザの基本操作が簡単になるわけではありません。他のパソコンにこの機能を追加することもできません。
 
●ハードウェアのテスト機能
 
D社のパソコンには、起動時に機能キーを押すと、内臓されているハードウェアをテストし、問題があればメッセージを表示する機能が組み込まれている。たとえば、CD-ドライブが開かない等、異常が発生した際に、これらのツールを順に実行していくことにより原因を絞り込むことができる場合がある。こうした機能が組み込まれているかどうかをあらかじめチェックして欲しい。様々なトラブルへの対応をどれだけ真剣に考えているか、メーカーの姿勢がよくわかります。

●付属ソフトウェア(プリインストールソフトウェア、バンドルソフトウェア)
 
ここでは、Windowsそのものとドライバーと呼ばれる必要不可欠なソフト以外に、市販のパソコンにプリインストールされている、あるいはCD-ROMなどで添付されているアプリケーション・ソフトのことをいう。

これらのソフトの豊富さをセールスポイントにしているメーカーもあり、機種によっては数十種類に及ぶソフトが付属している。
ユーザーにとってアプリケーション・ソフトの豊富さは魅力ですが、それらの中には、単品で購入するよリお得なおすすめソフト、いつサポートを打ち切られても文句をいえない類のソフト、体験版と称しいずれ使えなくなったりアップグレード料金を払わないと最新情報が反映されない類のソフト、単なるおまけ・宣伝用ソフト、などが混在しています。旅行用路線乗り換えソフトなどは、インターネットのHPで最新データが検索できます。ハガキ印刷ソフトはまともなワープロソフトであれば代替機能を有しています。家計簿ソフトなど使っているユーザーはどのくらいいるのでしょうか。

また、ビギナーがそのような数多くのソフトを使いこなせるはずもありません。数に惑わされず、必要なソフトについて十分かどうか検討してください。ワープロ、表計算については希望どおりのソフトが含まれているが、データベースが添付されていない、といったモデルも多い。このような場合、ビギナーは、最適なソフトが何かを考えることなく、全てワープロか表計算ソフトで始めてしまう、というアプリケーションにおける原始的間違いを起こしやすい。(結局、余計な労力を使うことになる。)
 
●購入先/購入方法
 
市販されているメーカー製のローエンドパソコンは、上記の処理能力を落として(能力の小さな部品を使って)プライスダウンを図ります。(ケースを開けるとわかりますが、純正の部品などほとんど使用されていません。)最近は、メーカー製品を扱うパソコンショップに加えて、市販されている部品を組み立てて独自のブランドで販売しているショップが増えてきました。かれらは、同じ価格のメーカー製品に比べ処理能力の高さや個性的な構成をアピールするのが特徴です。ただし、バルク部品を使用している可能性があり、付属ソフトが少なく(アプリケーションは付属していない場合が多い)、サービス・サポート体制もメーカーに比較すると表向きは見劣りします。しかし、細かな仕様変更に対応してくれたり、オプションも安価なOEM製品を選べるなど量販ショップとは一味異なるきめ細かなサービスを提供してくれます。例えば、モニターだけグレードの高いものを購入したいと考えても、多くのメーカー製品は、一部のモデルを除いて、対応してもらえないのが普通です。(モニターはxx社製にしたい、という要望も多いはずです。)コストパフォーマンスを重視するユーザー、希望の仕様があらかじめ決まっているユーザーにはおすすめです。

量販ショップにも、品揃えの優れたパソコン専門ショップと期間限定目玉商品中心の総合ショップがあります。後者は、ショップ側でのアフターサービスが期待できない場合が多いので、購入前にしっかり確認してください。

筆者も以前は、秋葉原の安いお店を何軒も探索して歩くことが多かったのですが、最近は同等の価格で購入でき、品揃えも充実したパソコン・ショップが全国に増えてきました。インターネットにも価格・在庫情報がアップデートされ簡単に検索できるようになりました。「XX%還元」のようなサービスを行っているショップもあります。さらに、通信販売による購入が可能なメーカーやショップも増えてきました。着払いであれば、電話・ファックスまたはインターネットのHPから、秋葉原価格で注文することができます。(後日振込みやカードの利用はショップにより異なるので事前に確認してください。)
D社、G社などは、ダイレクト販売中心の海外メーカーですが、DOS/Vパソコンに関しては、日本のメーカーよりも長い研究開発の歴史と優れた技術力を持っており製品のラインアップも充実しています。C社は、世界的に評価が高く、基本性能に優れコストパフォーマンスの高い製品を提供しています。これらは国産メーカーよりおすすめです。(蛇足ですが、DOS/V仕様のパソコンを最も遅く販売し始めたのは日本の2大メーカーです。)
 
●購入のポイント
 
○すべてのコストを見積る
本体、オプション、アプリケーション、ラック&チェア、消耗品、送料、保険料、アフターサービス、講習会参加、参考書、インターネットを使うならプロバイダ料金、回線料金も加える。本体価格だけで見積らないように注意しましょう。長期ローンは、市場サイクルの短いパソコン製品に関しては避けるのが賢明です。リースも検討してみましょう。

○設置スペースを見積る
広いショップと自分の部屋では、大きさの印象がかなり異なります。特に奥行きは、メジャーで正確に計って確認しましょう。ノート型を購入する場合はプリンターの設置場所をあらかじめ決めておく。縦型ラックがあればラックの設置面積でパソコン、プリンター、付属品が全て収納でき、室内の移動も簡単です。バラバラに配置する際にはケーブルの長さなど注意してください。

○コンサルテーションを受ける(衝動買いしない)
処理能力や仕様に関して不明な点は、詳しい人から事前に情報を得て検討しておく。(パソコン雑誌なども利用する。) インターネットで、メーカーやショップのHP、パソコン関連フォーラム、掲示板などを訪問して検索してみるのもよい。特に製造元のHPの製品不具合情報などは消去法による機種選定に役立つ。

○使いやすさをチェックする
初心者にとっては、性能より使いやすさが重視される。特に五感に触れる部分(キーボード、マウス、モニター、スピーカなど)について、人間工学的な観点からチェックする。(キーボードの傾斜、キーの大きさ・間隔・変換のしやすさ、マウスの大きさとなじみ具合、モニターの細部の表現力、音質など)

○なじみのショップをつくる
品揃えが豊富で店員の応対が丁寧で、空いてるショップのなじみになる。(混雑している店は不可。そこしかないなら空いてる時間帯を探す。) 製品の評判を訊ねたり、オプションについてアドバイスしてもらうとよい。(専門の相談員を配置している店が望ましい。)

○メーカー/ショップの保証サービスを活用する
パソコンの部品は回転が速く、耐久テストを行わずに出荷されるため不良品率も高い。保証期間内に異常が発生した場合は、迅速にショップの全損保証(オプション)などを利用して交換してもらおう。特にモニターなどは、製造過程での問題を引きずる傾向があり、修理に出すと一時的に直っても保障期間が過ぎてから再度故障する可能性が高い。

○拡張性を検討する(買い替え時期/アップグレード時期を見越す)
技術革新により処理能力は年々30%以上は向上する。長期ローンを組んでいると払い終える前に新しいモデルが欲しくなる。1年経ったらアップグレードの可能性を、2年も使ったら下取り・交換価格情報も調べてみよう。

○互換性の確認
現在使用中の周辺機器を継続して使用する場合は、新パソコンでのドライバやインタフェースの互換性を、事前にチェックする。アプリケーションに関しても同様に稼動条件を確認する。(バージョンアップしなければならない場合もある。)

次のようなパソコンは購入しないほうがよい。

1.保証のない中古品
2.OSのインストールCDが添付されていない
3.店頭のデモ用に使われていた
4.USBポートが1つしかない


●購入したら
 
ビギナーには理解しがたいでしょうが、パソコンの中味(ソフトウェアやファームウェア)は、購入した時点で、すでに最新ではないものが含まれているはずである。

購入したら、特に安価な売れ残り品など購入した場合は、すでにいくつかの不具合が発生していると思わなければならない。インターネット・プロバイダへのサインアップが完了したら、まず「Windows Update」を実行し、OSやアプリケーションの不具合を修正してください。次に、パソコンメーカーのサイトへ行き、購入機種の技術情報のページで不具合情報を確認し、修正パッチや新しいドライバをダウンロードしインストールしてください。これらが完了した時点で購入パソコンはやっと「新品」の状態になる。(MS Off○ce などのアプリケーションのアップデートも実行してください。) ビギナーには困難な作業のように感じられるでしょうが、頻繁に発生するフリーズやクラッシュなどのトラブルを解決するよりは簡単です。

●最近の傾向(売れ筋情報