イメージスキャナ入門

このページはパソコンに接続するイメージスキャナについて解説します。(このページは予告なく変更されます。) 問い合わせはこちらまで


●イメージスキャナとは
 
イメージスキャナは、手書きや印刷された媒体をパソコンに画像情報として入力するための周辺機器であり、次のような種類がある。

1.フラットベット型
2.ペーパーフィード型
3.ハンディスキャナ
4.カメラスキャナ
5.フィルムスキャナ

精度の高いイメージ画像を作成したい場合は、解像度の高いフラットベット型が望ましい。このタイプは、厚みのある原稿でもカバーを外すなど工夫すれば走査できるし、透過原稿オプションなどのオプションも取り付けられるものが多い。以下、フラットベットスキャナを中心に解説する。

○イメージ処理とスキャナー

イメージ処理におけるスキャナーの役割は、画像作成とパソコンへの入力である。入力された画像ファイルをそのまま印刷したり、モニターで表示させるだけのアプリケーションは存在しないだろう。さまざまなソフトで加工され、ハガキや雑誌、ポスターなどの印刷物の一部として扱われ、あるいは、ホームページの一部としてブラウザのウインドウで表示される。それぞれの目的に応じて最適なファイルを作成しなければならないし、そのためには画像の解像度や品質、圧縮技術や修整フィルター、加工するソフトや印刷・プリンターに関する、幅広い知識が要求される。スキャナー自体は安価になり、パソコンへの取り込みも簡単になってきたが、残念ながら、こうした知識やノウハウは依然としてユーザーに委ねられるのが現状である。換言すると、イメージ処理の基本を知らずしてスキャナーを使いこなすことはできない、ということである。スキャナーの解説書に掲載されている内容については、是非とも理解して欲しい。

○基本仕様

最もポピュラーな、2万円から 3万円前後のサンプル製品の仕様を参照する。左がSCSI接続、右がUSB接続のモデルである。実際の仕上がりの品質は、仕様を見ただけではわからない。出力サンプルや実際の走査時間をチェックしてみるとよい。サンプルはプリンタによって大きく変化することもある。

機種名
XX-XXXXS
XX-XXXXU
形式 卓上型カラーイメージスキャナ
走査方法 読み取りヘッド移動による原稿固定読み取り
センサ カラーCCD
原稿サイズ A4/USレターサイズ
最大有効領域 216×297mm(8.5×11.7インチ)
最大有効画素数 5100×7020pixel(600dpi)
解像度 主走査600dpi/副走査1200dpi
出力解像度 50〜4800dpi(1dpi刻み)
読み取り速度
(転送含まず)
モノクロ 文字・線画:約2.7msec/line(600dpi、転送時間含まず。)
フルカラー 写真:約8.1msec/line(600dpi、転送時間含まず。)
ズーム 50〜200%(1%刻み)
読み取り階調 各色12bit入力/8bit出力
画像処理 TET処理、AAS処理、中間調処理(3種類)、ディザ(4種類)
インターフェイス SCSI-2シールド型50ピン
高密度ピンタイプ×2
USB×1
光源 白色冷陰極蛍光ランプ
環境条件 温度 動作時:5〜35℃、保存時:-25〜60℃
湿度 動作時:10〜80%、保存時:10〜85%
消費電力

約20W

外形寸法(W×D×H) 287×425×88mm
重量 約4.5Kg
 

●購入時のチェックポイント

○大きさと原稿サイズ

フラットベッドスキャナーは、原稿をガラス面に対して水平にセットし、センサーユニットがスライドして読み取りを行う。この仕組みの関係で、本体サイズは原稿サイズ以上になる。薄型の製品でも、上に物を置くのは原則禁止なので、実質的には省スペースにはならないかもしれない。操作可能な原稿幅に余裕のあるもの、レターサイズまで走査できるものが望ましい。(レターサイズの雑誌など、以外に多い。)

○センサ

標準的なフラットベットスキャナには、CCD または CIS が使われている。CCD センサは、光源を原稿に当てその反射光をいくつかのミラーを通して CCD で読み取る方式であり、ユニットの厚さが必要である。これに対し、CIS センサは、省電力で点滅をコントロールできる小さな LED(Light Emitting Diode :発光ダイオード)を光源に使用し、リニアセンサーで読み取るため、薄型である。最近では、CIS の技術が向上し、安価で薄型の製品が増えてきた。

○解像度

あるメーカーの表現では、600dpi の解像度は、「金属の質感や水滴のみずみずしさなどリアルに表現できる」とのことである。最近の製品は、主走査600dpi、副走査1200dpiを越えるものが増えてきた。A4のページをA4で印刷するなら、300dpi 程度でも十分である。逆に、35mmネガフィルムをA4に拡大するといった精度を要求される場合は、2400dpi 以上の解像度が必要になる。どのようなサイズ・品質の原稿を、どの大きさで・どんな品質で最終出力するかによって、必要な解像度は変わってくる。一応、「大は小を兼ねる」理論はあてはまる。

○読み取り速度

カタログには、パソコンの転送速度を含まない数字が記載してあるので実質意味がない。原稿によってもかなりバラツキがある。 高品質印刷用に読み込むためには、転送も含めると、1分程度は仕方がないと考えておこう。

○読み取り階調

12ビットは、4096階調(2の12乗)まで表現できるということを意味する。上記のサンプルの、入力12ビット、出力8ビットなら通常の写真画質を再現するには十分といえる。

○インタフェース

現在の規格では SCSI の方が高速であるが、SCSIカードと専用ケーブルが必要である。USB は USBポートがあれば簡単に接続できるし、高速化に伴い今後主流になるだろう。最近のノート型パソコンにもオプションなしで接続できる。
ほとんど姿を消したがパラレルポートに接続するタイプのものもあり、1万円を切る価格で販売されている。

○ケーブル

ケーブルは付属していない場合が多い。SCSI であれ USB であれ、必ずコネクターの形状を確認し正しいケーブルを同時購入する。

○オプション

原稿枚数が多い場合は、専用オプションの「自動ドキュメントフィーダ」を検討する。35mmフィルムなど背景が透明の原稿を対象とする場合は、「透過原稿ユニット」を検討する。(フィルムスキャナより品質は落ちる。)

○その他

Windows の種類により稼働に制限がある場合もある。注意書きは必ず読んで内容がわからなければ問い合わせる。一般に、スキャナのドライバはアップデートが遅く、最新OSに対応していない場合がある。メーカーのサイトで最新版をダウンロードしよう。

●使ってみよう

○まず起動する

周辺機器を使用する場合は、原則周辺機器にお電源を入れてからパソコンを起動する。この方がエラーの発生が少ない。Windows が稼動中のスキャナの起動は次のように行なう。

1.USB接続の場合

そのまま電源を入れればよい。

2.SCSI接続の場合

「マイコンピュータ」を右クリックし、「システム」の「デバイスマネージャ」タブを開く。「SCSIコントローラ」をクリックしてその下に表示されている SCSIコントローラをマークし「更新」ボタンをクリックする。これでスキャナが一覧上に表示され、使用可能になるはずである。(だめなら再起動する。)

○スキャナドライバを呼び出す

解説書には、専用の読み込み用のアプリケーションを起動してスキャナドライバを呼び出すように記載されているかもしれない。実際は、使い慣れたフォトレタッチソフトの「ファイル」の「読み込み」(あるいはそれに相当するメニュー)からスキャナドライバを指定して、走査設定ウインドウを呼び出だそう。正しくセットアップされていればTWAIN経由でスキャナドライバが表示されるはずである。

○原稿のセット

この段階で、よくある失敗は、端切れ、傾斜、光漏れである。いずれも後の段階での修整ができないので注意しよう。
厚めの本などのページや規格外の印刷物をセットする場合、無理にねじ込むと、ずれたり隅に外光が入ったりしてしまう。このような場合は、必ずカバーを外してセットする。(ほとんどの機種は間単にはずせるはずである。)

○走査条件の設定

次のような条件を設定してからプレビューしチェックする。「簡易設定」など決め打ちの設定をそのまま使用するのは止めた方がよい。(後でスキャンし直すことになる可能性が大きい。)特に、解像度・サイズ修正の機能の弱いフォトレタッチソフトしか使用できない場合は、ここでの条件設定は慎重に行い、場合によっては異なるいくつかの条件で走査し、それぞれのファイルを保存しておく必要がある。

1.イメージタイプ

カラー写真、白黒写真、ハーフトーン、線画、OCR、FAX など、いくつかの種類が登録されているはずである。最も適合するタイプを指定する。

2.解像度(出力機器)

出力機器を選ぶと、自動的に適切な解像度が設定される仕様になっているものが多い。スクリーン用なら 72dpi、写真の印刷なら 240dpi、360dpi など、この段階で最適な解像度を指定することが最も重要なポイントになる。線画や中間調の原稿を正確に印刷したいなら、写真の3倍程度の解像度が要求される。(モニターで見ていても判断できないので、スキャナーの解説書で確認してください。)

印刷用の画像を 72dpi で走査してそのまま印刷するとどうなるか試してみてください。

3.入力サイズ(原稿サイズ)

例えば、A4サイズの原稿上の一部の画像だけを使用したい場合、スキャンの段階で範囲指定できれば、余計な情報をパソコン側に持ち込まずに済むし、パソコンにかける負荷も少なくて済む。範囲指定が複雑だ、と感じるような原稿であれば、とりあえず全範囲をそのまま指定する。

4.出力サイズ

当倍ならそのまま、拡大・縮小する場合は、そのように指定する。拡大すると、当然容量が大きくなり、パソコンへの出力時間も長くなり、負荷も大きくなる。非力なパソコンだとハングする可能性もあるので、表示される容量(xxMB)に注意しよう。例えば、A4フルサイズの写真原稿を、解像度:300dpi、サイズ:2倍(200%)でスキャンすると 100MB になってしまう。HDDの残容量が1GB切っているパソコンは、何枚かスキャンしているうちにハングするかもしれない。

5.その他の条件設定

イメージ制御機能を使用して、露出、ガンマ値(全体の明るさ)、コントラスト、色合いなどを修正できるが、解像度の低いモニターで見ていると正しい補正は難しいかもしれない。プレビューして拡大してチェックし、必要なら補正する。自信がない場合は補正せず、スキャン後フォトレタッチソフトで修整する方が安全である。「プレビュー」は、パソコンのフォトレタッチソフトに画像ファイルを送らずに表示する機能である。

○走査(スキャン)する

プレビューは数秒で終了しても、スキャンはパソコンへの転送時間が加わるため、容量によっては1分以上かかる場合がある。転送を安定させるため、スキャン中は、できるだけパソコンのソフトは使わないようにしたい。転送が終了されれば、フォトレタッチソフト側に画像が表示される。この段階で設定ウインドウは閉じてよい。

○フォトレタッチソフトで修整する

デジタル化された画像は、原稿と比較すると色合いや細部の表現がかなり異なっているはずである。フォトレタッチソフトの機能で丁寧に修整しよう。
修整については 「パソコンでの画像処理」を参照してください。

●特殊な使い方

○OCRに使う

ほとんどのスキャナにはOCRソフトがバンドルされているはずである。OCRソフトをインストールすればフォトレタッチと同様に、ソフトからスキャナドライバを起動し、文字情報へ変換するのに適した解像度で読み込むことができる。(通常、300〜400dpi 程度の白黒2階調らしい。)OCRの技術も急速に進歩しているが、原稿の質や印字書体などによりかなり認識率にバラツキがある。文字認識させる際には、傾きを修正したり、文字の領域をできるだけ正確に範囲指定することが重要である。特にアルファベット、日本語が混合した原稿などは、高い認識率は期待できない。

○形のあるものをスキャンする

筆者も時折行なうが、ナイフ、はさみなどのハードウェアをスキャンすることもできる。この場合はカバーを外し接触部を傷つけないように注意し、上から白布等を丁寧に被せて走査する。

○透過原稿ユニットを使う

オプションの透過原稿ユニットを装着すると、フィルムなどの背景が透明の原稿を走査できる。35mmフィルムなどは、拡大しなければならないため、入力解像度を最大にしなければならないかもしれない。出力画像を見てスキャナーの限界を理解しておこう。