モニターの知識

このページでは、モニター・ディスプレイについて解説します。パソコンの構成部品の中で最も高額なのはモニター・ディスプレイです。故障すると修理代が高いのでよく検討してから対応しましょう。(このページは予告なく変更されます。) 問い合わせはこちらまで

●TVとパソコン用モニター
 
家庭用TV(モニター)とパソコン用のモニターは、何が違うか?専門家に聞くと様々な答えが返ってくるだろうが、パソコンユーザーが知っておくことは2つであろう。まず、入力できるビデオ信号が、ソケットと端子の形状により異なる。つまり、テレビは「コンポジット」と「S-Video」、パソコンは「VGA」ソケット経由でビデオ信号を入力し表示する。
次に、テレビは、ある程度距離(数メートル)を隔てて見ても細部まで認識できるようにかなり明るく表示するのに反し、パソコンのモニターは至近距離(数10センチ)で見ることを前提に眼が疲れないようかなり輝度を落として表示するように作ってある。つまり、標準とするガンマ値が異なるのである。パソコンにテレビチューナーを装着したり、ビデオ機器をパソコンに接続して、映像をモニターに表示すると、「暗い」、「発色が悪い」といった印象が強いのはこのためである。現在のパソコンのモニターでは、リアルな映像をテレビと同等の画質で再現するのは難しいといえる。また、パソコンのモニターとしてテレビを使用することもおすすめできない。
「できます」ばかりのメーカーの広告宣伝に惑わされず、各々のモニターの長所・短所を考慮して、最適な使い方を検討して欲しい。
 
●モニターの種類
TVとパソコン用のモニターは、何が違うか?専門家に聞くと様々な答えが返ってくるだろうが、パソコンユーザーが知っておくことは2つであろう。
現在のパソコンで使用されているモニターディスプレイは次の2つに大別される。

○CRT(Cathode Ray Tube:ブラウン管)

CRTは、現在の大半のテレビや据え置き型パソコンに使われている、映像を表示するためのデバイスである。(発明者の名前をとってブラウン管ともいう。)CRTはガラス製の真空管で、後端に電子銃が、前面の内側には電子が当たると発光する蛍光体が塗布されている。電子銃に数万ボルトの高電圧をかけると電子がビーム上に飛び出し、蛍光体に当たると発光する。電子銃の前部に配置した偏向ヨークでビームの位置を変え、蛍光体上を順次スキャンしながら電子ビームの強度を変えることによって任意の文字や画像データを描画することができる。最近ではカラーCRTがほとんどであり、マスクの形状によりシャドーマスク方式とアパーチャグリル方式(S社のトリニトロン管、M社のダイヤモンドトロン管など)、両方の利点を取り入れたクロマクリア管(N社など)に分類される。アパーチャグリル管の特徴は、注意して見るとテンションワイヤ(横筋)が、17インチで2本、15インチで1本、スクリーンを横切っている。クロマクリア管と明記されておらず、テンションワイヤが見つからなければシャドーマスク方式の可能性が高い。

○LCD(Liquid Crystal Display:液晶ディスプレイ)

2枚のガラス板の間に液晶を入れ、電圧の変化によって文字や画像を表示させるモニタディスプレイである。ブラウン管を使ったモニタ(CRT)に比べて、薄くて場所をとらず、消費電力も少ないため、ノート型を中心に急速に普及している。デスクトップパソコン用でも90度回転してタテとヨコが変えられるものや奥行きをとらないコンパクトなものが続々と登場している。ノートで型は従来の800×600という解像度の限界を破る1024×768表示のものも登場。デスクトップパソコン用のモニタとしても今後主流となるだろう。15インチサイズでCRT型の17インチと同じ広さが表示できる、解像度の高さが特徴である。(解像度は今後ますます向上するだろう。)

LCDは、電流制御の方式により、単純マトリクス液晶(STN:Super-Twisted Nematic、DSTNなど)、アクティブマトリクス液晶(TFT:Thin Film Transistor、MIMなど)に大別される。前者は、液晶層を挟む2枚のガラス基板に電極を垂直方向と水平方向に格子状に重ね、それぞれの交点を1つの画素としており、構造が比較的単純なため製造コストが安いが、TFT液晶に比べると発色などの点で劣る。後者は、画素ごとにオン、オフを切り替えるスイッチを配置してあり、STN液晶に比べコントラストが高く視野角が広いがやや高価である。最近のノート型パソコンで一般的に用いられる液晶ディスプレイは、A4サイズでは、大型(12インチ程度)で高解像度(800×600ドットあるいは1024×768ドット)のTFTが主流になっている。見やすく消費電力も少ない、低温ポリシリコンTFT液晶を搭載したモデルも増えている。
 
 
●モニターの性能

実際にテスト用の文字や画像を見るのが一番なのだが、カタログに記述されている次の数値も理解しておきたい。

○インターレース(Interlace)とノンインターレス(Non-Interlace)
 
インターレスは、ディスプレイ表示のための電子銃の走査を上から下へまず奇数行だけ行ない、次に偶数行の走査を行なう表示方式である。1フレームで走査するライン数はノンインターレースの半分ですむため、垂直同期周波数を低く抑えることができる。比較的低価格のディスプレイで高い解像度の表示を行なう際に用いられる。ただし、1フレームの表示が1ラインおきとなるため、ちらつき(フリッカー)が出やすいという欠点がある。

ノンインターレスは、インターレースのように1ラスタ行おきに走査するのではなく、1回ですべてのラスタ行の走査を行なう表示方式である。理論的にはインターレースよりクリアな表示が行なえるが、フリッカーを起こさずに表示するには垂直同期周波数を高くする必要があり、ディスプレイの製造コストが大きくなる。特に解像度が上がると、1画面を表示するために必要なデータ転送量が増えるため、ノンインターレース表示を実現するのはそれだけ困難になる。最近のパソコン用モニターの主流である。

○リフレッシュレート(Refresh rate)

ディスプレイ表示において、1秒間に何回画面が更新されるかを表わす垂直同期周波数。リフレッシュレートが低くなると、画面の点滅(フリッカー)が人間の目からも感じられるようになる。これをなくすには、最低でも人間の目がちらつきを感じる60Hz以上(ノンインターレース時)のリフレッシュレートが必要とされる。マルチスキャンモニターに場合、パソコン側の解像度モードに依存する。最近では70Hz〜100Hz以上のハイリフレッシュレートが使用されることが多い。一般的なノンインターレース表示のディスプレイでは、垂直同期周波数が72Hz以上ならば、フリッカーをほとんど感じないとされる。

○偏向周波数

各々のモニターは、入力信号の周波数が決まっている。(取扱説明書参照) 例えば、水平:30〜70kHz、垂直:50〜120Hz...のような範囲である。「Out of ...」などの警告表示が出たら「画面のプロパティ」の「設定」タブの「詳細」で入力信号の周波数を調整してみてください。

●ノートパソコンの液晶について

○液晶の種類(アンチグレアタイプと光沢タイプ)

従来の液晶モニターは、日光や室内灯などが映り見難くなるのを防ぐため、表面に「アンチグレア」という加工が施されている。ところが、アンチグレアタイプの液晶は、色の再現性が低く本来の色よりもくすんで見えるという欠点がある。このため、一般のビジネス使用には十分であるが、ノートパソコンでDVDビデオやテレビを鑑賞するには不向きである。

最近のノートパソコンの液晶モニターは、このサラサラした光沢のないアンチグレアタイプを採用したモデルと、表面がツルツルした「光沢液晶」を採用したモデルが混在している。ノートパソコンでDVDやTVの映像鑑賞が主目的であれば、色を鮮やかに再現する「光沢液晶」タイプをおすすめする。DVDやテレビは見ないビジネス使用の場合には、従来の光沢のないアンチグレア処理された液晶をおすすめする。

○見分け方

アンチグレアタイプの液晶は表面に光沢がほとんどない。それに対して光沢液晶は表面がツルツルしているので、店頭でも両者は簡単に見分けられるはずである。わかり難い場合は、店員に尋ねてみてください。また、光沢液晶でも、映りこみの少ない「低反射」タイプと、そうでないタイプがある。色彩が鮮明で画像がきれいでも、映り込みがする液晶では、当然目が疲労する。

○選択のポイント

1.低反射

反射、映りこみがない。

2.広視野角

上下左右、角度がある方向から見ても色味が変わらない。

3.高コントラスト

色彩が鮮やかでくっきりしている。

4.高輝度

画面が明るい。(最近は、ほとんどの液晶が高輝度タイプのはず。)

店頭では、キーボードの左端にある「Fn」キーと「F8」キーを同時に押して輝度を高くして、画面を確認する。必ず、画面の輝度を一番高くして確認してください。

●モニターの故障と修理


DOS/V機の部品はほとんど交換可能であるが、一体型やノート型のパソコンのディスプレイは、修理ドックへ持ち込まないと通常は交換できない。修理を依頼するとかなり高額になることを覚悟しなければならない。取り扱いには十分注意したい。とはいってもアタリハズレは必ずある。筆者は、一昨年購入したS社製のCRTが1.5年でブラウン管が故障し、6年前に製造されたI社のCRTをいまだに使用している。現在ではほとんどのメーカーの製造工場は台湾、韓国などのアジア諸国であり、不良品率は決して低くないようである。

故障したら、製造メーカーの指定サービスセンターに持ち込むか、技術員を呼んで、修理する前に見積もりをしてもらってください。電話でも丁寧な技術員に当たればおおよそのところはわかる。どの部分の故障なのか、どの部品の交換なのか、部品代、技術料などをチェックし、納得した上で修理するかどうかを決めるとよい。 (通常、3000円程度の見積料が必要である。)

○主な故障

1.電源部が入らない

パイロットランプもつかない、まったく電源が入っている気配がないなら、メインヒューズが断線しているか電源部そのものの故障と思われる。テスターがあれば、電源スイッチをオンにした状態で、電源プラグ(コンセント)で導通をチェックしてみる。導通が全くない(無限大まで振れる)ならヒューズが切れたか、または様々な原因が考えられるやっかいな故障の可能性が高い。高圧発生部の故障なら、部品の交換で2、3万円程度、電源部の故障なら、部品代と技術料で修理代は1万円前後、CRT(ブラウン管)の故障なら、関連部品の交換も含め、8万円程度は覚悟しなければならない。(金額は製品・メーカーにより若干異なる。)従って、ブラウン管の故障なら新規購入をおすすめする。

2.電源は入るが画面が映らない

別のモニターを借りることができれば、交換してテストしてください。他のモニターでも症状が同じなら、モニターではなくビデオボードの故障が考えられる。この場合、メーカー製パソコンには安いビデオボードが使われている可能性が高いので、まともなボードを購入して交換することをおすすめする。他のモニターで問題がなければ、モニターそのもの故障である。

3.スクリーンの乱れなど

スクリーンの糸巻きゆがみ、明るさ・コントラスト、上下・左右の位置、スクリーンサイズなどは、モニターの調整機能で微調整可能である。取扱説明書を参照し最適な状態に調整してください。文字が、ボケたり特殊なノイズが発生するようならVGAかモニター自身に問題が発生している可能性が高い。
故障かなと思ったら、取扱説明書の調整例を参照してください。また、取扱説明書には記載されていないが、モニター内部にも調整ボタンがあり、これらの微調整で直る場合もあるらしい。(ただし、専門技術者でないと無理かもしれない。)
画面に一本、変な線が入っている、一部にノイズが入る、といった症状の場合、結局、ブラウン管または液晶パネル全部の交換ということになってしまう場合が多い。

4.発火と異常音

CRTは、高電圧(2〜3万ボルトらしい)を使用しており、この部分に不良があるとそこで火花放電が発生し、まれではあるが、近くの可燃部品に飛び火し発火する可能性がある。(TVに関しては事故例がある。)また、「バーン」という花火音とともに故障したケースもある。

○保証について

通常、保証期間は1年間が一般的である。販売店によってはより長期間の保証が付けられる場合もあるので購入の際に確認しよう。モニターは前述のとおり「あたりはずれ」が激しいのでできるだけ長期の保証が望ましい。お店に相談してみてください。