簡単なネットワークの構築

このページでは、シンプルな家庭内LANの構築体験を紹介します。2台以上のパソコンをお使いの家屋で検討してみてください。比較的容易に構築でき、部品も安くて便利です。(このページは予告なく変更されます。) 問い合わせはこちらまで

●役立つサイト

JPNIC(日本ネットワークインフォメーションセンター) 
MSEの ドメイン専門館
 Traceroute 経路情報
Address Exchanger(アドレス変換ツール)
いろいろなインターネット接続の共有
LAN構成法,活用法
●LANとは?

LAN(Local Area Network) は、もともと、企業内にある複数のパソコンを接続して、企業内情報の効率的な伝達や共有化をめざそうとして発展してきたネットワーク形態である。最近では、企業内だけに留まらず、IPアドレスを取得してインターネットの一部として機能する形態も多くなってきた。企業内LANの特徴の一つは、ファイルサーバー、プリンタサーバー、アプリケーションサーバー、ゲートウェイなどの、サーバーとして機能するパソコンやワークステーションが設置されていることである。だが、パソコンが 2、3台の家庭では専用サーバーを持つということは少ないかもしれない。しかし、稼働する1台を論理的に兼用サーバーとして定義し、プリンタやファイルのシェアを行なうことは容易である。また、ゲートウェイパソコンを定義することにより、インターネットへの接続を共有することができるようになる。マイクロソフト社ではこれを「ホームネットワーク」と呼んでいる。

○Windowsパソコンで家庭内ネットワークを構築するには

数年前と比較すると必要機器は格段に安くなり、必要な通信ソフトもWindows標準のもので対応でき、面倒なプロトコルや通信の設定も容易に行なえるようになった。
一口に家庭内ネットワークといっても、さまざまな接続形態が考えられる。Windows標準の通信機能を利用する代表的な形態は次のようなものである。デスクトップとノート型が1台づつであれば、ケーブル接続だけでファイルのシェアが可能である。インターネットへのスムーズな接続共有やシームレスなファイル・プリンタの共有を求めるなら、まず、2のように接続してみるのがよいだろう。

1.ケーブル接続

Windows 標準アクセサリの「ケーブル接続」を使用し、2台のWindows パソコンをクロスケーブルで接続した形態である。パラレルまたはシリアルのクロスケーブルのみ購入すれば構築可能である。Windows の「ファストステップガイド」にも記載されている。ファイルやフォルダおよびプリンタのシェアが可能である。2台のパソコンとも、「ケーブル接続」が起動していなければならない。簡単ではあるが転送速度が遅いため大容量ファイルのシェアには不向きである。必要な接続機器はクロスケーブルのみでよい。

2.LAN接続

各パソコンにLANカード(10BASE-T/100BASE-TX/1000BASE-T が一般的)を装着し、イーサネットケーブル(カテゴリ5)で接続する。ハブ(HUB)またはルーターのポート数が余分にあれば、後でパソコンを追加できる。2台の場合はハブなしで直接接続も可能であり、この場合はイーサネットケーブルは「ストレート」ではなく「クロス」タイプのものを使用する。モデムやTAなどの通信機器が1台あれば、Windows のインターネット接続の共有ができる。各パソコンのファイルやプリンタのシェアも可能である。1台のパソコンに接続されたプリンタは、そのパソコンのWindows が稼働していないと使えないが、プリンタサーバー・デバイス経由でプリンタをハブに接続すれば、ハブに接続されたどのパソコンでも常時プリンタを使用できる。(LAN対応プリンタの場合は直接HUBに接続sづる。)LANカードは1000円を切るものもある。プラグ&プレイに対応しているか、どのOSに対応しているか、確認の上購入しよう。
*必要な接続機器:HUB、NIC:LANカード(10BASE-T,)、イーサネット・ケーブル(CAT5,ストレート結線)、プリンタサーバー・デバイス(プリンタ用)、モデム・TAなどの通信機器(インターネット接続用)

3.無線LAN接続

上記2のLANカードを無線LANカードに、HUBを無線LAN対応にしたものに代えた形態。ケーブルの配線が少なくなりすっきりする。ただし、通常のLANカードの数倍の出費は覚悟しなければならない。ケーブルで接続する機器と無線接続の機器が混在する場合は、ポート数、通信可能距離などの仕様を十分に検討してください。

●LANの構成例

LANの接続形態は多様であり、各々の構成に、メリット、デメリットがある。ファイル・プリンタの共用とインターネット接続を行なうという観点から、代表的な構成例をあげてみる。

○ケース1



1.イーサネットハブ(10BASE-T、5ポート)
2.NIC:イーサネットアダプターカード(PCI x 3、PCMCIA TYPEII x 1)
3.イーサネットケーブル(CAT5 ストレート x 4)
4.オプション(ADSLインターネット接続)
  ADSLスプリッタ&専用モデム(別途ADSLの登録が必要)

*機種ごとに様々な制約があるので、それぞれの製品のネットワーク接続の情報を確認する。

○ケース2



1.CATV/ADSLルーター(10BASE-T、LANポート x 4、WANポート x 1)
2.NIC:イーサネットアダプターカード(PCI x 2、PCMCIA TYPEII x 1)
3.イーサネットケーブル(CAT5 ストレート x 5)
4.プリンターサーバーデバイス(シリアル-LAN)
5.オプション(CATVインターネット接続)
  ケーブルモデム(別途ケーブルTVへの登録が必要、PPPoE対応)
  ケーブルモデムとルーターの接続の詳細についてはCATV会社に問い合わせてください。

*複数クライアントでの使用権、ルーターのアドレスの取得、CATV網自体の規格の違い、モデムのネットワーク対応など、詳細に調査する必要がある。ケーブルモデムとルーター間の接続にクロスケーブルを使うケースもある。

*市販のLANケーブルの性能は、ほぼ価格に比例する傾向がある。ケーブルが内部で受けるノイズの影響度である「NEXT」と呼ばれる値が大きいとノイズの影響を受けやすく、結果としてスループットが落ち込みやすくなる。10メートル以上のケーブルを使う場合は、安価なノーブランド品は使用しないほうがよい。

○「常時接続」の注意事項

ADSLやCATVインターネットの普及により常時接続するユーザーが増加してきたが、これはセキュリティ上大変危険である。というのは、LANの設定によっては、他ユーザーに簡単にファイルのアクセスを許すことになり、トラブルの原因になる。特に、TCP/IPを使用したネットワークは、相手のパソコンのIPアドレスがわかってしまうと比較的容易にアクセスできる。

この問題を回避するためには、次のような方法で、家庭内LANとADSL/CATVインターネットを論理的に切り離すことができる。

  1. ルーターを使用する。

    接続するパソコンが1台でも、ルーター経由で接続すると、外部からのアクセスがし難くなる。

  2. NICを2枚使用する

    パソコンにイーサネットアダプターカードを2枚挿入し、インターネットと家庭内LANでそれぞれ異なるアドレスを設定することにより、外部からの家庭LANへの侵入を防ぐ。

  3. 異なる通信プロトコルを使用する

    インターネット側では通信プロトコルとして「TCP/IP」を使用し、家庭内LANでは「NetBEUI」を使用する。NetBEUIでファイルの共有やプリンタの共有を行なうよう設定し、TCP/IPで共有設定を解除しておくことで、外部から家庭LANへのTCP/IP接続を遮断できる。
 
●LAN構築のステップ
○設置環境の確認

パソコンの仕様と稼働条件、接続機器の設置場所、ケーブルの長さ、電源など、詳細に調査する。

○プロトコルおよび接続方法の決定

使用するプロトコル(NetBEUI、TCP/IPなど)、ネットワークデバイス、インターネット接続方法を決める。プロトコルにTCP/IPを使用するのであれば、追加するIPアドレス等の情報をプロバイダから入手しなければならない場合もある。複数のクライアントパソコンでインターネットに同時接続可能にするには、物理的な接続方法(ハブ、ルーターを使う、など)と接続サービス(「インターネット接続の共有」など)、プロバイダ側の対応を考慮して決めなければならない。

○接続機器、ケーブルの入手

対応OSなどの稼働条件を確認の上購入する。カードはプラグ&プレイ対応のものにする。ケーブルは、ストレートかクロスかを必ず確認する。

○機器の設置とインストール

LANカードのインストール、ハブ/ルーターの設置、機器の接続

○ソフトのインストール

プロトコル、接続サービス、ドライバ(カード、プリンタ、モデム類)、ブラウザ

○設定

ネットワーク全体(ワークグループ名、パソコン名、IPアドレス、サブネットマスクなど)、ルーターのIPアドレス取得と設定、共用プリンタ、共用フォルダ、インターネット接続など

IP アドレスは、TCP/IP で通信するときに、各コンピュータごとに付けられるユニークな番号である。現行の IP アドレスは、32 ビットの範囲で割り当てられるが、32ビット(4,294,967,296個)が自由に使えるわけではない。また、あらかじめ、「クラス」により、次の様にグルーピングされている。

  1. クラスA: 1.0.0.0 〜 126.255.255.255
  2. クラスB: 128.0.0.0 〜 191.255.255.255
  3. クラスC: 192.0.0.0 〜 223.255.255.255

一般的に、家庭内や小規模 LAN では、クラスC の範囲で割り当てる。 IP アドレスは、基本的にインターネット上でユニークである必要があるが、インターネットの他のユニットと交信しない場合は、LAN 内でどのような IP アドレス(ローカルアドレス)を使っても問題はない。インターネット上のグローバルアドレスは絶対に重複してはならない。 また、「192.168.1.1」は、TA などの初期設定値となっている場合が多いので、使ってはならない。

●セットアップ(実際につないでみる)
○カードのインストールとケーブルの接続

LANカードの解説書どおりにインストール作業を行う。カードの装着に慣れていない場合は、差込みを確実に行なってください。「接続できない」エラーのほとんどは、この装着時のためらいがもたらす接触不良が原因である。現在販売されているカードは、プラグ&プレイ対応のはずである。(そうでないものは安価でも購入しない方がよい。)装着後、起動した時点で添付のフロッピー(またはCD-ROM)を挿入してドライブを指定すればドライバがインストールされる。起動後、「システム」のデバイスマネージャ・タブで「正常に稼働している」か確認しよう。(USB機器も同様。)

○無線LANの設定

無線LANを使用する場合は、まず、ルーターを設定するクライアント側に無線LANカードやUSBオプションを接続し、ドライバと設定ユーティリティをインストールしなければならない。クライアント側からルーターが認識できないケースも大変多いので、マニュアル類を慎重に閲覧して設定を行なってください。クライアントから無線ルーターが認識できない場合は、さまざまな理由が考えられ、その問題判別はビギナーには簡単ではない。特に最もポピュラーなB社(旧M社)のLAN製品は、ドライバ、ファームウェア、ユーティリティのバージョンアップが頻繁に行われるため、インストールする際には、添付CDではなくWebサイトからダウンロードした最新版を使用することをお勧めする。

○プリンタのインストール

100/10BASE-Tの接続インタフェースを持つプリンタは、直接ルーターまたはハブに接続できる。(TCP/IPで接続する場合は、IPアドレスとサブネットマスクを指定する。)ネットワークインタフェースを待たないプリンタを接続する場合は、一般に「プリンタサーバー」と呼ばれている接続装置を介してルーターまたはハブに接続する。パソコンに直接接続してもよいが、その場合はそのパソコンが電源オフの時、他のパソコンからプリンタを使用できない。

ネットワークプリンタの場合は、まず、インストールのためのパソコンを決める。そのパソコンからネットワークプリンタの設定を行なう。通常は、初期化してIPアドレスとサブネットマスクを指定すれば印刷可能になるはずである。サーバーパソコンのプリンタのセットアップが終了し、印刷可能になったら、各クライアントパソコンで、スタートメニューの「設定」>「プリンタ」または「プリンタとFAX」(XPの場合)の「プリンタの追加」から「ネットワークプリンタ」を設定する。ネットワークプリンタのパス(例:\\共有プリンタのパソコン名\プリンタ名)を確認し、プリンタドライバをネットワーク経由でコピー、またはCD-ROMなどのインストール用メディアからインストールできれば完了である。この時点で、デスクトップのネットワークアイコン(マイネットワーク)をクリックすれば、見えるようになっているはずである。(プリンタとドライバがネットワークに対応していることが前提。)

○ルーターとクライアントのセットアップ

ハブの場合は必要ないが、インターネットのようにWANと接続するためのルーターを使用する場合は、ルーターの設定ガイドに基づき、次の設定を行なう。ISDNダイアルアップルーターの場合は、WAN側の設定は不要だが、ダイアルアップネットワークの設定をしなければならない。

1.WAN側のIPアドレスとサブネットマスク
2.LAN側のローカルIPアドレスとサブネットマスク

ルーターに添付の「簡単セットアップ」等のユーティティを使用すると容易に接続できるが、LANの管理者はネットワークの基礎知識として最低限、使用するネットワークプロトコルが何か、機器ごとに使用するアドレスが何かを理解しておく必要がある。通信の世界は、アドレスがすべて合致していれば必ず接続できるが、逆に、ひとつでも間違いがあれば接続できない。クライアントパソコンのTCP/IPの初期設定では「IPアドレスを自動的に取得する」設定なっているかも知れないが、ネットワークに接続された特定の機器やパソコンのフォルダ/ファイル、あるいはプリンタを共用する場合は、原則的に「ローカルエリア接続」のIPアドレスを次のように固定して使用する。

アドレスの概念
接続機器 設定項目 サンプル値 備考
ルーター WAN側 IPアドレス 192.168.0.109  
サブネットマスク 255.255.255.0  
LAN側 IPアドレス(デフォルトゲートウェイ) 192.168.0.1  
サブネットマスク 255.255.255.0  
クライアント 共通情報 DNS(プライマリ) 11.12.13.11  
DNS(セカンダリ) 11.12.13.15  
デフォルトゲートウェイ 192.168.0.1  
ドメイン名 zzcatv.ne.jp  
クライアント1 IPアドレス 192.168.0.2  
サブネットマスク 255.255.255.0  
クライアント2 IPアドレス 192.168.0.3  
サブネットマスク 255.255.255.0  
クライアント3 IPアドレス 192.168.0.4  
サブネットマスク 255.255.255.0  
プリンタ IPアドレス 192.168.0.5  
サブネットマスク 255.255.255.0  

○Windows 95/98 の設定

Windows 95/98 では、「コントロールパネル」の「ネットワーク」から次の手順で1台ごとに設定を行なう。
詳細は こちらを参照してください。

1.「現在のネットワークコンポーネント」に必要なプロトコル(NetBEUI、TCP/IPなど)を追加する。
2.「現在のネットワークコンポーネント」に必要なサービス(マイクロソフトネットワーク共有サービスなど)を追加する。
3.「ファイルとプリンタの共用」をクリックして各々の共用をチェックする。
4.識別情報タブでコンピュータ名とワークグループ名を設定する。
5.アクセス制御タブで「共有レベル」「ユーザーレベル」のいずれかをチェックする。
6.再起動して、設定が有効になる。

他のOSを搭載したパソコンも加えて、TCP/IPで通信する場合は、1台ごとに次のような設定が必要である。

1. TCP/IPの「プロパティ」の「IPアドレス」タブで、「IPアドレス」と「サブネットマスク」を設定。
2. 「DNS」タブで、プロバイダから取得したDNS関連情報(ホスト、ドメイン、DNSサーバなど)を設定。
3. 「ゲートウェイ」タブで、「デフォルトゲートウェイ」(例:192.168.0.1)を設定。

○Windows Me の設定

Windows Me では、「マイネットワーク」の中の「ホームネットワークウイザード」から次のようなネットワーク設定を簡単に行なうことができる。

1.インターネットに接続するゲートウェイ・パソコンの指定と接続設定
2.そのパソコンのインターネット接続の共有と接続デバイスの設定
3.コンピュータ名、ワークグループ名の指定
4.ファイル、プリンタの共有設定
5.ネットワークに接続された他の Windows 95/98 でコンピュータでネットワークを設定するためのセットアップディスク(フロッピーディスク)の作成



○ゲートウェイパソコンの設定(「インターネット接続の共有」を使う場合)

「ホームネットワーク」を使用可能にするには、まず、ゲートウェイにするパソコンに プロバイダから取得した情報を設定し、Windows 標準の「インターネット接続の共有」をインストールする。この際に、クライアント用の設定フロッピーも作成する。

1.「コントロールパネル」>「アプリケーションの追加と削除」>「Windowsファイル」を開く。
2.「インターネットツール」の「インターネット接続の共有」にチェックしてOK。
3.再起動後、「コントロールパネル」>「ネットワーク」>「現在のネットワークコンポーネント」で確認。
4.ゲートウェイパソコン(プライマリコンピュータ)でインターネットに接続してみる。

○クライアントのインターネット環境設定

次に、TCP/IPがインストールされた各パソコンのブラウザ、メーラーの設定を行なう。
「インターネット接続の共有」を使う場合は、ゲートウェイパソコンで作成した、上記の設定フロッピーで設定する。
LAN経由の接続では、「ダイアルアップネットワーク」は使用しない。プロバイダから次の情報を入手し設定を行なう。(自動サインアップ機能はない場合が多いのでプロバイダの提供するガイドに基づいて手動で設定する。)プロバイダによって例外事項があるので、まず設定ガイドをよく理解してから作業を行なってください。つながらないエラーが非常に多いが、原因のほとんどは単純な設定エラーである。(接続を共有する場合は、それぞれの共有設定の方法に従って設定してください。)

1.接続名、ユーザー名、パスワード
2.メールアドレス、受信メールサーバー(POP3またはIMAP)と送信メールサーバー(SMTP)の名前
3.プロキシサーバーの名前(接続するLANが使用している場合) など

クライアントパソコンからブラウザ、メーラーを起動し、インターネットに接続ができれば、これでホームネットワークが完成!

●LANを使ってみる

○プリンタの共用

プリンタで印刷する操作はこれまでと変わらない。印刷時にインストールしたネットワークプリンタを選択すればよい。

○ファイル・フォルダの共用

例えば、ノートパソコン(PC1)に入力されたデータファイルをPC1上で、デスクトップ型パソコン(PC2)にコピーする処理は次のように行なう。

1.PC1のデスクトップの「ネットワーク」(Meでは「マイネットワーク」)を開く。
2.PC2のコピー先共用フォルダを開く。
3.PC1のマイコンピュータまたはエクスプローラを開く。
4.ファイルをPC2のコピー先共用フォルダにドラッグ&ドロップする。(これで完了。)

○インターネット接続の共用

ネットワークに接続された複数のパソコンから、ブラウザを起動しインターネットに接続してみる。

○LANに接続されたパソコンのIPアドレスを調べる

パソコンのARPテーブル(最近通信した相手のIPアドレスとMACアドレスの対応表)を調べることにより、ネットワークに接続されたIPアドレスとMACアドレスを確認できる。このARPテーブルは、マシンがIP通信をした際に、その対応表を一定時間保持するため、LAN上のすべてのパソコンと通信した後で、LANにつながるすべてのパソコンのアドレスを把握できるのである。Windows 98/Me/2000などのコマンド・プロンプトから、次のように入力すればよい。

C:\>arp -a


●LANを速くするには?

接続された機器やパソコンの多い企業内LANであれば、論理構成を考えパフォーマンスを計測しながら最適な機器の配置と設定が必要になるだろう。家庭内LANでもチェックポイントは同じである。単体のパソコンをチューニングするのと異なり、ボトルネックが発生しパフォーマンスが低下しないように(LANの能力を最大限に発揮できるように)全体の構成を考えていかなければならない。LANのボトルネックは数多く存在し、チューニング方法も多い。LANを高速化するいくつかのポイントを紹介する。

○高速イーサネットの採用

すべての接続機器が対応しているなら 100BASE-TX(100Mbps)を使用する。ただし、LANプリンタなどは10BASE-Tのみ対応のものが多く、パソコンもHDDがボトルネックになり、小規模ネットワークではあまり効果は期待できないかもしれない。

○非力なパソコンはつながない

メモリの少ないパソコン、HDD容量の少ないパソコンはできるだけLANにつながない。TCP/IPやLANボードのドライバは、それなりのリソースを消費する。古いタイプのパソコンは、CPUもHDDアクセスも低速であり、この影響を如実に受けるだろう。つなぐ場合には、プリンタサーバーやファイルサーバーとしてではなく、クライアントとして使用し、LANの最下流につなぐ。なお、この種のパソコンに高速のLANカードを装着しても無意味である。

○プリンタの適切な接続

最近はネットワーク対応プリンタも低価格化が進行し、一般の家庭でも購入できるようになってきた。メモリーを十分に搭載したLAN対応プリンタであれば、ハブに直接接続できる。だが、重いファイルの印刷や大量印刷ではバッファが不足しがちである。十分なメモリと高速HDDを搭載したパソコンをプリンタサーバーとして設定し、プリンタをハブを介さず直接パソコンに接続した方が、パフォーマンスは向上するかもしれない。
LAN接続ができない安価なインクジェットプリンタをつなぐ場合も、上述のように、プリントサーバー(パソコン)やプリンタサーバーデバイスを介すなど工夫する必要がある。

○サーバーには高性能パソコンを

共用するファイル・フォルダを持つパソコンは、高性能のものを使用し、最上流につなぐ。高性能とは必ずしもCPUが速いことを意味しない。サーバーには、HDD、メモリ、バスなど全体の能力の高さが求められる。Windows 98/Me をファイルサーバーとする場合は、ファイルアクセス中に重いアプリケーションを実行しハングさせないよう配慮する。もちろん、上流に接続する。

○ハブとネットワークケーブルの適正配置

予算に余裕があるなら、スイッチングハブを準備する。ハブのカスケード接続は避ける。ポート数が心配なら、最初から8ポートのものを準備する。旧型のハブなども極力使わない。ケーブルもできるだけ効率よく短くする。

○無線LANの高速化

IEEE 802.11b 規格の場合、理論値は11Mbであっても、2階建て家屋やビルのフロア違いでは電波状況が悪くなり、たとえば、2Mb程度までスピードダウンするかもしれない。これでは、いくらインターネット側を高速のケーブルで接続しても意味がない。最速・最短のスポットに設置する、オプションのアンテナを設置するなどして高速化を図ろう。

●考慮点

○接続機器選び

最近は、ADSLやケーブルTV回線を使用するネットワークが増えてきた。どのような利用形態であれ、専用モデムと1つの回線を複数パソコンから利用可能にするルーター(またはHUB)が必要になる。特にモデムは、必ず接続業者が動作保証している製品を使用してください。初期の製品は性能上劣るものがあるので、レンタル制度があれば、それを利用したほうがよい。モデム内蔵のルーターはプロバイダによっては問題が発生する場合があるので、対応しているかどうかを事前に必ず確認してください。ルーターを選ぶ場合に、最低限チェックして欲しいポイントは次のとおりである。

1.LANポートの種類と数

現在の有線LANの伝送速度は、10〜100Mbpsだが、無線LANの規格(IEEE802.11b)では、最大で11Mbpsである。(実際は7Mbps程度)この差は、パソコンからインターネットに接続する場合には気にならないが、LAN上のパソコン同士で大きなファイルを転送をする場合に差ができる。このため、無線ルーターでも有線ポートをいくつか搭載した製品を準備するべきである。プリンタの接続やこれまでのLAN接続を生かす場合には、有線ポートが複数ないと困る場合あるかもしれない。

2.基本性能値の確認

ルーターを選ぶ際には、価格にとらわれず、カタログの「スループット」の数値を確認してください。これは、ルーターの最大処理能力を意味する。たとえば、最大8MbpsのADSLを利用するのに、スループットが3MbpsではADSLの速さは結果的に3Mbps前後に制限されてしまうことになる。逆に、8MbpsのADSLに8Mbpsを越えるスループットは必要ない。

3.静的IPマスカレードへの対応

一般的なルーターは、複数のパソコンを1本の回線でインターネットに接続するために、LAN内部からの接続要求がくるたびに、NAT/IPマスカレード機能により順に外部IPアドレスを割り振る。この機能は、IPアドレスを固定しないため外部からの攻撃を受け難いという利点があるが、一方で、IPアドレスを固定しなければならないインターネット電話やネットミーティングが利用できなくなる。このため、インターネット電話やネットミーティングを利用する場合には、一定時間に限って特定のパソコンのIPアドレスを固定する「静的マスカレード機能」を持つルーターが必要になる。

○通信の知識と制約

TCP/IPを使用し、WANと接続するLANの構築はそう簡単ではなく、通信に関する専門知識が要求されることが多い。特に、企業においてはピュアな環境は少なく、すでに別の目的でLANカードが使われていたり、IPアドレスが固定されていたり、さまざまな制約が存在するのが普通である。
ネットワーク機器やパソコンを物理的に接続する方法はいくつも存在する。しかし、実際にアプリケーションレベルで使用できるかどうかは、使用する通信機能、ハードの組み合わせやプロバイダの制限などにより異なってくる。たとえば、ルーターのファームウェアのバージョンに依存したり、パソコン側の接続サービスに制限があったり、プロバイダ側の制約にひっかかる場合も多い。LANに関しては、技術力が低くサポート体制の弱いプロバイダも少なくなく、結局ユーザー側が全てのリスクを負って構築することになるだろう。

○その他の考慮点

1.ケーブルの独立性

LANケーブルは電源ケーブルなどから離し干渉を受けないようにする。OA機器やパソコンが数多く配置されているオフィスでは、配線図を作成し安全な最短ルートを決めよう。

2.稼働時間の配慮

サーバーを使用する時間帯、クライアントパソコンを使う時間帯、プリンタを使用する時間帯、ルーターやハブを稼働させておく時間帯、それぞれをマップにして、効率的な電源管理を検討しよう。24時間稼働ならルーターやハブもファン付のものを設置した方が安全である。

3.アクセス権限(どこまでアクセス可能にするか)

1人だけで3台使用する場合もあるが、通常は、家庭内LANでも複数のユーザーがいればプライバシーは存在する。また、不用意に他のパソコンの大事なファイルを消してしまう可能性もある。特に、それぞれのパソコンが「C:」ドライブ一つでファイルを管理している場合、互いに読み書き可能に設定すると間違いを起こしやすい。
一定期間使ってみて、再度アクセスのレベルや共用フォルダのアクセス範囲を見直してみよう。

4.著作権の遵守

LAN環境では、複数のパソコンでファイルのコピーや同時使用が容易に実現できる。ソフトウェアや著作権の付帯するファイルの複製使用には十分注意しよう。( ソフトウェア使用許諾条項を確認すること。)

5.プロバイダの利用規定の遵守

複数のユーザーが、1つのインターネットIDを共用することを認めていないプロバイダが多い。この場合は、追加ユーザー数分のユーザー登録を行なう必要がある。