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■児童のためのインターネット安全ガイド
    このページには、筆者の勝手な意見や憶測も盛り込まれているので、反論や間違いがあればご連絡ください。また、このページのコンテンツを児童向けに翻訳する場合は、各々の責任で行ってください。(このページの内容は予告なしに変更されます。)



  1. 児童に伝えるインターネット大原則

    近年、インターネットに関係する犯罪の低年齢化と凶悪化が、明らかに進行している。テレビの時代、ゲーム機の時代と、児童の健全な成長を妨げる要因のひとつとされてきた IT が、またまた悪者にされつつある。インターネットの時代に入ってからの急激な変化は、明らかに人類が今だかつて経験していないものである。IT の進化に人間がついていけない時代になったのか?IT が人間に牙を向く時代になったのか?もはや、便利さだけを提供してくれるものではなく、処方のない病や致命傷をもたらす凶器でもある、ということなのだろうか。ITの健全な普及を願う者として、まず、この誤解を解いておきたい。そして、次の時代を担う子供たちと親世代にも、インターネットの正しい利用法と危機管理について理解してもらいたい。

    このような参考記事がある。これが真実なら、まず親たちが反省しなければならない。一読の上、先へ進んでください。
    子どもたちのインターネット利用について

    ○インターネットはコンピュータではない


    ある時はテレビ、ある時はゲーム機、ある時はDVDプレイヤー、ある時はカラオケボックス。パソコンがあまりに多くの機能を持つに至り、大人たちは、大変戸惑っているようだ。子供たちにとってはどれも便利な遊び道具であり、時には勉強の道具である。大人より早く理解し、すぐに使いこなしてしまう。では何が問題なのか?

    パソコンがインターネットに接続された瞬間、そこに、見えない人間のネットワークが生まれるのである。そのとき、インターネットに接続してあるパソコンの前に何かをしようとしている無数の人間がいるのである。この人たちをインターネットユーザー(ユーザー)と呼ぶ。ネットにログインした瞬間から、ユーザーは、パソコンユーザーからインターネットユーザーに変わる。そして、インターネットユーザーとしての義務や責任も負うことになるのである。換言すると、ユーザーは、パソコンという「顔」を通じて、インターネットにログインしている世界中の人々と、法やルールを守りながら、上手にコミュニケーションをして、目的を達成しなければならない。インターネットは、目的を達成するためには何をしてもよい、という無秩序な世界ではない。

    インターネットは、パソコンの画面の中にあるバーチャルな世界だと勘違いしている子供たちに、このことを理解してもらいたい。初めてインターネットを利用するときから、「コンピュータを相手にしているのではない。血の通った生きた人間を相手にしている。」という認識を子供たちに持たせることが何よりも重要である。これは、大人にも言えることである。

    ○インターネットには危険がいっぱい

    守らなければならない法やルールもひとつではない。まず、日本の法律、訪問したサイトが他国のサイトであればその国(州)の法律、世界中のユーザーが共通に守らなければならない「ネチケット」、そして訪問したサイトの管理人が定めたルール。そのサイトに設置された掲示板やチャットにも、それぞれのルールが定められている。これらの法やルールを、全て守りながら、インターネットのサービスを利用していかねばならない。

    さらに、インターネットユーザーは現実の世界の人間であるがゆえに、現実の世界と同じ確率で、必ず罪を犯す者が存在する。詐欺、押し売り、児童虐待など、虎視眈々と狙っている。そうした誘惑の対応に慣れていない子供たちは、格好のターゲットになる。インターネットを始めてまもない子供を持つ父親宛に数万円の請求書が届いた、という例を何件も知っている。近年には、インターネットのやり取りがきっかけとなって殺傷事件も発生している。

    ネット上に存在する危険や脅威は、多くの場合、予期せぬ時に、目に見えない形でやってくる。これらの危険や脅威から身を守るには、さまざまな知識と理解と常日頃からの注意が必要である。子供だからだといって「知らなかった」では済まされないのである。(子供でも自己責任で対応しなければならない。)

    親がこうした危険や脅威を体験していると、子供を守ろうとする意識は相当強いはずである。しかし、まったくインターネットを知らない親の場合には、ついつい目を離してしまうことがあり、子供も開放感からついつい行ってはいけないWebへ迷い込んだり、「なりすまし」とメル友になったりしてしまう。年齢的にまだ見てはいけないという情報が掲載されたページにアクセスしてしまったとしても、子供の責任とは言い難い。親たちは、興味本位からではなく、子供を守るために、まずこれらの危険を自ら経験すべきである。

    ○インターネットの安全な利用の基本はコミュニケーションと信頼関係

    子供たちがインターネットのサービス(メール、掲示板、チャット等)を利用する際に、最も必要なものは、パソコンの操作に精通していることではなく、家族・友人・教師と親しく話し合うことができるコミュニケーション能力であり、それによって培ってきた人間関係そのものである。つまり、積極的に周囲の人たちと会話し、相互理解を深め、信頼関係を築いていこうとする姿勢が大切なのである。

    周囲の人々とのコミュニケーションが充分に行われ、信頼関係が構築されているのであれば、子供たちはトラブルに巻き込まれる危険を感じたとき、必ず誰かに報告する。また、親や教師がまだ気づいていないような潜在的な問題についても信号を出すので、大事に至る前に対処できる可能性が高い。逆に、周囲の人々とコミュニケーションがうまく取れず、信頼関係も確立できず、信号を送る相手も見つからない子供は、インターネットでもトラブルに巻き込まれる確率が高く、対応も遅れる可能性が高いといえる。

    結論として、上記の3つの前提条件を満たさない子供には、インターネットを利用させてはならない。そのような子供がインターネットを利用すれば、現実世界からの逃げ場としてネットの世界に引きこもったり、自分をうまく表現できないがために他ユーザーからイジメを受けたり、毅然とした応対ができず危険なトラブルに巻き込まれたり、インターネットで溜まったストレスを現実世界で発散させようとするかもしれない。また、引込み思案で自尊心が低いため、対面でのコミュニケーションによって満たされない欲求を、インターネット(チャット等)で満たすことに成功している子供たちは、(実は、それはうまくやっていると錯覚しているだけの場合が多いのだが)、もはや現実世界でのコミュニケーション能力の向上は期待できないかもしれない。つまり、中学生になっても、高校生になっても、大人になっても、人とうまくやっていけない引きこもり型の人間ができあがってしまう可能性がある。これは、致命的な社会性の欠如につながる。

    警告:日本のインターネット導入期において(つまり、この10年間)、これらの原則をユーザーに教え指導しなかったため、近年多くのユーザーが危険に遭遇し、トラブルに巻き込まれている。危険に対し無防備・無知なユーザー、ネチケットを守らないユーザーも多い。そもそもネチケットを知らないユーザーが多すぎる。今からでは遅過ぎるかもしれないが、ネット教育を指導する立場にある者は、インターネットを始める子供たちに必ず教え指導していただきたい。言い換えると、法やルールを遵守し、自分の判断で危険を回避しながら、「Give & Take」できるユーザーを育成して欲しい。

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  2. 年代別ガイダンス

    「児童心理学者はインターネットのチャットルームが英国内での小児性愛者の犯罪を増加させる可能性があると警告している。この警告はNational Centre for Missing and Exploited Childrenの調査でも裏付けられている。それによると、インターネットを利用する子供の5人に1人がオンライン上で小児性愛者の誘いにあっているという。Mersey Forensic Psychology Serviceの心理学者,Alex Hossack氏は、小児性愛者が従来、子供の信頼を勝ち取るために使ってきた方法はオンラインにも簡単に移すことができるとする。またUniversity of Londonの心理学講師、Matthew Saxton氏は子供の心はインターネット上で小児性愛者が使う心理操作的言語に対応する準備が整っていないとし、保護機能のないチャットルームは不適切なあらゆる情報に子供をさらすことになると語っている。」 (ZDNet/USA)

    これは2001年のニュースであるが、世の中はこのとおりになっている。たまたま、運良く回避できた例もあるだろうが、相談できる人がいないために、トラブルに巻き込まれてもそれを公表できないでいる子供たちも多いと思う。(大人たちの感性が鈍く、正確な統計が取れないため、日本での実態は不明である。)一応年齢別に、子供たちに大人が指導してやらねばならないことを列挙しておく。ただし、これらをまず理解しなければならないのは、親と教師だということを強調しておく。

    ○小学校/低学年

    キーを打てない小学校低学年からパソコンの使用を強いられる子供たちはかわいそうである。この年代には、本来パソコンもインターネットも必要ないかもしれない。両親や教師がサポートしないと思い通りに操作できないなら、インターネットは封印し、子供の成長を待ったほうがよいだろう。この境界線はおそらく10歳ぐらいかと思われる。(10歳でもついていけない者もいるだろう。)この年代の子供に、どうしてもパソコンを習得させたいなら、親か先生が付きっきりになるしかない。それが可能なら、まずインターネットの楽しさを体験させ、成長して一人で操作できるようになるまで、習慣を維持しながら必要な教育を行うのは好ましい。

    この時期は、人間としてもユーザーとしてもあまりに未熟なので、技術的な知識の習得や高度な使い方を追求するのではなく、インターネットの利用を通じて、家族や教師とのコミュニケーションを深め、信頼関係(何でも話せる関係)の基礎を築くことに重点をおくべきである。ただし、進歩の速い子供は、この年齢でも、マウスを駆使して、どんどん先へ行こうとする。モニター上に突然現れた見せてはならない画像に、目をそむけオロオロするのは大人たちである。

    警告:インターネットを題材として、親子の絆を強くするチャンスではあるが、中途半端な係わり方や指導は子供に不信感を与えることになりかねない。インターネットに公開されている Webサイトのほとんどは大人向けのサイトであり、子供が安心して見ることのできるサイトは限られている。子供に不審や疑惑を感じさせるページを見せずに、ターゲットまで到達できる、保護者・教師のナビゲーション能力が問われる。子供だからといって決して手を抜かず、真剣に取り組んで欲しい。

    ○小学校/中学年

    人生最も多感な時期に入る10歳前後は、異性を意識し自我も芽生え、「進んでいる」子供は、あっという間に大人から離れていく。したがって、大人の支援や管理が非常にしにくくなる。親に隠れてインターネットの世界を楽しもうとする気持ちを持つ子供も現れ、個人差も認められるようになる。自力で Web サイトを検索したり、親に入力してもらっていた友だちへのメールを、親に見られずに送信したいと思うようになる。自分のプライバシーを守り、他人から見られない自分の世界を作りたいと考えるようになる。

    この時期は、個人情報を含むプライバシーの保護やインターネットに凄む一般的な危険や脅威を理解させ、それらに立ち向かう基本的な姿勢を認識させ、指導していくことが重要である。さらに、縦の関係(親子・師弟のコミュニケーション)から横の関係(友だちとのコミュニケーション)を重視するように移行していく時期でもあるので、この時期までに親子の信頼関係が確立されていなければならない。

    警告:親の力を借りずにパソコンが扱えるようになると、子供たちは自分たち独自の情報ネットワークを形成するようになる。親がもっと先のことだと思っていることを、親が気づかないうちに実行している子供も多い。親の管理から逃れたいと感じる気持ちには個人差があるが、この時期までの教育・しつけで子供の人格・人間性は、ほぼ決まってしまう。この時期に、人間が持っている「闇」の部分がインターネットがもたらす「刺激」により開花し、その後危険な世界へ向かってしまうこともある。親の注意が最も必要な時期でもある。

    ○小学校/高学年

    この時期は、肉体的・精神的な成長の個人差が大きいだけでなく、子供の世界での各々の立場が決まり、コミュニティができあがる。インターネットの知識にも個人差がでるし、よからぬ使い方を覚える者や、それを流通させる者も現れる。コンピュータの知識やノウハウも、もちろん学力にもかなりの差が認められるようになり、人格や人間性の面でも「しつけ」の差が現れ、特殊な趣向や考え方を持つ者も現れるだろう。

    そろそろ、インターネットの危険やルールについて、より具体的に教えてください。たとえば、ネット犯罪の Web サイトや警察庁の統計資料などを使用して、危険の確率、重さ、身近さを認識させ、常に「注意しよう」の感覚を持たせることが重要である。各サービス(Web、メール、掲示板、チャットなど)に関しても、それぞれ、具体的に危険とルールを教えてください。たとえば、メールなら、チェーンメール、未承諾広告、ウイルスメール(添付ファイル)など、何を目的としているのか、どんな危険があるのか、どう対処すればいいのか。そして、一方的に教えるのではなく、必ず、原因は何か、どうしたら防げるかを話し合い、子供たち自らが悩みながらも正しく対応できるように指導してください。

    さらに、ウイルスやスパイウェアの実例を上げ、具体的な症状や対応策・予防策についても教えてください。学校や家庭での使い分け、家族での使い分け、プライバシーとセキュリティについても教えておく時期でしょう。全てを理解できる年齢ではないが、理解しようという意志を植えつけることにより精神的なステップアップを図ることが狙いである。家族で話し合いながら利用規約・ルールをつくるのもよいだろう。ただし、押し付けのルールは禁物である。子供の人格を尊重し大人として扱うことにより、学校の成績はどうあれ、インターネットの利用を通じて、自信と責任感を持つようになれば望ましい。

    警告:この時期、コミュニケーションがうまく取れず、コミュニティに加われなかったり、イジメを受けると、すでに自我が確立されているがゆえに、疎外感やストレスを強く感じ、精神的なダメージも大きくなる。今の教育制度や受験制度の下では、多くの子供たちが、優等生は優等生なりに、落ちこぼれは落ちこぼれなりに(好ましくない表現かもしれない)、さまざまなストレスを感じているのだろう。この時、環境や自分への不満やストレスのはけ口として、インターネットを選択し、そこに自己中心の世界を造ろうとする子供たちが、結果的にネット犯罪に係わってしまう予備軍となってしまう傾向がある。

    ○中学生

    中学校時代を個人的に思い起こし、キーワードを並べると、卒業、解放、自我、好奇心、自信、行動、反抗、プライバシー、といったところでしょうか。子供から卒業したような感覚、好奇心旺盛で、今までできなかったことを自信を持って実行し、度が過ぎて問題を起すこともある。個人差があるが反抗期も訪れるため、家族関係よりは友人関係・友人とのコミュニケーションを大事にするようになる。またプライバシーにも大変敏感になる。異性への思いやあこがれも、具体的な行為に発展するケースが増えてくる。

    コンピュータを使い慣れた子どもは、専用のコンピュータを要求する。おそらく最近の中学生の多くは、すでに自分用のパソコンを持っているはずである。仲間同士での情報交換も活発になり、裏技を教えあったりして使い方も高度化してくる。ネットゲームやチャットにはまり込む者、違法であるがアダルトサイトや出会い系サイトを探索する者、自分の Web サイトを開設する者など、パソコンを自分の趣向に応じて便利に利用する者が増えてくる。親から見れば、子供が部屋に閉じこもっているだけであるが、実態は思いもかけぬ危険な情報を入手している可能性もあるのである。

    コンピュータの扱いに慣れた子供は、もはや、「親に教わるより自分で検索した方が速い。」と考え、親には期待しないだろう。現代の親たちに、「威厳を持って指導せよ」と言うのは酷かもしれない。しかしながら、親の責任としてこれだけは伝えて欲しい。

    1. 全ての行為は自己責任で行う。
      インターネットの危険から身を守るためには、場合によっては、自らの意志でインターネットの使用を制限したり、Web サイトを閉鎖したり、メールアドレスを無効にするなどの処理をしなければならない。子供だからといって手加減はしてくれない。

    2. いかなる理由があろうとも、人の誹謗・中傷やそれに順ずる表現を使用しない。
      インターネットの世界では、自分が受けた誹謗・中傷・嫌がらせは無視し、絶対に報復してはならない。殺傷事件が起きるきっかけとなることがある。

    3. 法とルールと正義を守る。
      インターネット上で攻撃を受けたり犯罪に巻き込まれそうなユーザーを見つけたら、現実世界と同様、見て見ぬふりをしてはいけない。危険に自ら近寄っていくことはない。しかし、自らの判断で、Web サイトの管理人に意見したり、当局や相談所に連絡しなければならないこともある。身に覚えのない請求書、しつこい勧誘などにも、毅然として対処しなければならない。

    4. プライバシーの保護が最優先である。
      他人の個人情報(メールアドレス、住所、電話番号など)を許可なくインターネットに流してはならない。自分の個人情報も同じである。友人の住所を掲示板に書き込んだため、その友人がストーカーの標的にされてしまうかもしれないのである。

    5. 著作権を守る
      他人がアップしている情報(文字、画像、音楽、映像、プログラム等)には、すべて著作権が付いている。著作権フリーのことわりのない情報を無断で使用してはならない。フリーウェアであっても、利用規定があれば、その内容を守らなければならない。たとえば、再配布禁止のゲームソフトを配布したら、それは、著作権法違反となり、配布者は犯罪者となってしまう。

    6. どうしていいか分からない場合には、いつでも信頼できる人に相談する。
      親が嫌なら他の信頼できる人に相談しなさい。

    警告:コミュニケーションがうまくできない未熟な子供が、中学校に入学して、人間関係が一新されることをきっかけとして、新しいコミュニティに溶け込み、危機を脱するケースもあるだろう。しかし、相変わらず自分だけの世界に閉じこもる子供は、成長するにつれて、当然大人の世界に入り込もうとする。そして、大人としてさらなる危険と直面することになるだろう。性犯罪の被害者は、10代が最も多い。基本的に、救えるのは家族を含めた周囲の人間しかいない。不安や危険を察知したら、まずインターネットの接続を切れ!そして話し合いなさい。



  3. 小学生に守って欲しいルール

    子供たちは、一般に大人より純粋であり、危険を察知したり、緊急事態への対応力が未発達である。(周りの人間が全て犯罪者・変質者だと思って身構える子供はもっと問題であるが。) いつ、誰が、どんな方法で接近してくるかわからないインターネットの世界では、その危険から子供たちを守るために、子供たちが成長するまでの間、保護者が付き添ってやるのが当たり前である。子供が一人でネットサーフィンやチャットをすることは、まだ幼い飼い犬をアフリカの原野に置き去りにするようなものであり、それほど危険だということである。各々のルールを、子供の言葉で、分かりやすく教えてください。

    項目
    ルール
    パソコンの共用 パソコン自体は共有しても、ログインID/メールアドレス/アカウントは子供用を別途設定する。大人用と混同・共用せず、分離する。大人の情報が紛れ込まないように配慮する。
    利用環境
    低:必ず保護者・教師が付きそい、指導する。
    高:保護者・教師がモニターできるところで使用する。
    利用規定 利用目的、予定、時間を事前に保護者・教師と相談する。深夜に至らないように、また本来の学業以外の利用は、ある程度時間を制限し効率よく使用する。プライバシー(親の閲覧を許す範囲など)も相談して決める。
    不審なメールの処理 低:知らない人からのメールは開かず保護者・教師に処理してもらう。
    高:不審なメールは削除するか、保護者・教師に相談する。
    メールのプライバシー 低:受信メールは、保護者・教師に公開し、発信・返信時はチェックしてもらう。
    高:受信・発信時に、保護者・教師の閲覧を許す。
    個人情報の保護 個人情報(住所、電話番号、両親の職業、学校名など)はメールで送らない、書き込まない。問い合わせを受けても公表せず、まず、保護者・教師に報告する。他人の個人情報が含まれるメールの転送、投稿は絶対しない。
    児童犯罪の防止 身体的特徴(身長、体重、顔形、髪型、制服、他の身体的特徴)は公開しない。家族や友人以外には自分の写真はメールで送らない、投稿しない。 問い合わせを受けたら、ただちに保護者・教師に報告する。
    認証(年齢制限)の厳守 年齢制限サイトには入らない。年齢制限サイトに掲載された広告やバナーも絶対クリックせず、ウインドウを閉じて戻る。その他、個人情報やアンケートを要求されるサイトにも近づかない。
    ホームページの管理 ホームページを開設する場合、個人情報(自分のメールアドレスなど)を掲載しない。投稿があれば、不用意に返信しない。まず、内容を見てどうしたらよいか考え、保護者・教師の意見を聞き、処理を決定する。
    チャットへの参加
    低:参加しない。(技術的・能力的に無理。)
    高:プライベートチャットは禁止。(対応能力が未熟であり、誤解や問題が発生する可能性大。)
    勧誘、中傷、嫌がらせを含む表現に、不安・危険を感じたら、レスを止め、保護者・教師に相談する。
    出会いの注意 メル友やインターネットを通じて知り合った人に、「会おう」と誘われたら、保護者・教師に報告する。会う際は双方の保護者付き添いの元、第三者が見ている公の場所で会う。(万が一、相手が「なりすまし」や変質者だった場合に身の安全が確保できるところを指定する。)

    警告:一方的な「○○は禁止!」の押し付けは、間違った「親離れ」を進行させ、かえって子供たちの好奇心を煽り、結局、親に隠れて○○する子供を作り上げる。ヒステリックな言い方をしても、子供は耳を貸さない。分かったふりをするだけである。なぜ禁止なのか、どういう脅威が存在するのか、いつまで待てばいいのか、子供の人格を尊重し、同じ目線で話してください。目的は、禁止することではなく、自ら判断できる人間性(自主性、倫理観、正義感、自己抑制力など)を養うことである。このプロセスを放棄する親たちの子供ほど危険にさらされる。

    インターネットを、親子の信頼関係、「絆」を強くするための媒体と考えるなら、親子のコミュニケーションは楽しく有意義なものとなるだろう。インターネット利用時間を有効に活用すれば、家庭での親子間のコミュニケーションを推進することができる。



  4. 関連情報

    ○インターネットの病と犯罪

    以下まったくの私見です。

    インターネットでのやり取りがきっかけとなって、殺傷事件や集団自殺が発生、というニュース報道については、胸が締め付けられると同時に憤りも覚える。インターネットが犯罪の温床になっているかのような報道、残虐行為中心の一方的な報道。犯罪を犯すに至った心の変化やインターネットとの関係がまったく曖昧で何も解決されていない。そして、忘れられた頃に、さらにエスカレートした悲劇が起きている。多発しないうちに、何とか適切な処方を見つけ出して欲しい。

    インターネットが犯罪とどう関係するかは、精神分析医などの学者を含めた今後の研究に期待したいが、とりあえず、インターネットのもたらすマイナスの側面としていくつかの症状を上げておく。

    1. インターネット中毒(インターネット依存症)

      空き時間を全てインターネットにつぎ込んでいるユーザーはけっこう多いように思う。チャットや掲示板でのやり取りを、冷静に見ていると、「こんな言い方しなくてもいいのに」、「そろそろ誰か止めてよ!」と感じる上気を逸したやり取りに出くわすことがある。当人同士はもう引っ込みがつかず、他のユーザーは入り込む余地なし。しかし、彼らは、直接会って決着つけよう、などとは思わないようだ。あくまでネットの世界の出来事なのであり、現実世界よりコミュニケーションの喜びを感じることができるらしい。ふと「中毒」という言葉が浮かんでくる。ネットに「何か」を送り続けないと自分が消えてしまうような錯覚や、はまっているときの安堵感、離れたときの不安。もし、インターネットに中毒作用があるなら、やはり免疫力の弱い子供のほうが症状が重くなるのかもしれない。(参考:インターネット依存症からの回復

    2. 自己抑制力低下現象

      わかっていても、ついつい開放的な心理状態になり、対面コミュニケーションよりも過激な言い回しや攻撃的な言葉を使用してしまい、倫理観や善悪の判断力が低下して悪しき行為を行いやすくなる現象。この時、同じ精神状態のネット仲間に遭遇し、集団心理が働くと、一気に現実の世界での集団行動に走ってしまう可能性もある。現実の世界では抑制できることが、ネットの世界では我慢できなくなってしまう。ユーザーの対人関係やインターネットの利用履歴・利用環境等に起因するところもあるかもしれない。

    3. ブーメラン現象

      現実世界で受けた不満やストレスを解消できず、インターネットにこもり、メル友をつくったり、ホームページをつくったり、掲示板やチャットに参加したりしながら、インターネットに接続されている時間の中で必死にもがき、不満やストレスがかえって何倍にも増大し、それを今度は現実の世界に戻って発散させようとする現象。現実の世界からインターネットの世界に飛び、現実の世界に戻って来るので「ブーメラン現象」と名づけた。本来、インターネットのコミュニケーションは楽しく、責任や不安が軽減される、オンラインで他者とコミュニケーションできる、匿名でコミュニケーションできる、といった喜びを感じるものである。これがうまくいかなかった場合、もう一度現実世界に逃げこもうとする意識がはたらくのではないかと思う。

    4. インターネット不安

      インターネットを利用する場面で身体的な緊張感を持ち、インターネットを利用する場面を避けたり、インターネットの利用に対して自信がを持てないでいる状態。検索がうまくいかず迷路に入り込んでしまう「インターネット検索不安」、専門用語がわからない等の「インターネット用語不安」、などがある。インターネット導入期のユーザーやビギナーに多く見られる。インターネット中毒になるか、インターネット教育を行うことによりインターネット不安を減少させることができる。

    5. インターネット分裂症候群

      現実世界の人間関係とインターネットの世界での人間関係を明確に分離し、交じり合うことなく維持していきたいという意識が過度に強いユーザーが、たとえばクラスメートなど現実世界で対面している人とチャットでやり取りすることになった時、混乱してどう対応していいか分からなくなり、結果的に意識や行動が不安定になること。どちらの世界にも属している人たちが、精神的な負担になったり、攻撃の対象となってしまうことがあるかもしれない。
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