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| ■ インターネットの基礎
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ARPAnetは、80年代半ばに軍事用のMILNET(ミルネット)と研究用に分離され発展的に解消します。現在私たちが利用しているインターネットの一部はこの研究用のものです。もちろん軍事用ネットワークにもつながっており、たびたびクラッカーの標的になっています。(ドメイン名が「mil」で終わるサイトは軍用であり一般の利用はできません。)
○学術用ネットワークの時代
1970年代後半〜80年代は、学術用ネットワークの成長期にあたります。冷戦が緩和されるにつれて、さまざまな軍事技術が民間用に移転されました。同時にコンピュータの飛躍的な発展期であり、ネットワークを通じたコンピュータ利用が盛んになった時期でもあります。さまざまな研究機関が、より高速で能力の高いネットワークを求め、独自に構築を始めます。NASA(航空宇宙局)のNSIなど、この時代のネットワークは、当時は高額であったスーパーコンピュータの共同利用を目的として構築されていました。このため、スパコンで実行するためのプログラムのファイル転送、遠隔操作(Telnet)などの関連技術の整備も当然必要になり、これは全米科学財団(NSF:National
Science Foundation)が担当することになりました。また、1983年にはTCP/IPがARPAnetに正式採用され通信方式の標準となっていきます。
インターネットの本格的なスタートは、1989年のNSFnetに始まります。NSFnetは、通信速度は当初、56kbpsでしたが、すぐに1.5Mbpsになりました。(これは、1秒間に漢字188,000字を送ることができる速度です。)その後、さらに45Mbpsにアップされ、映像も送ることができるようになりました。この高速ネットワークは、スパコン利用以外にも大きな魅力となり、全米の大学や研究機関の小規模コンピュータ・ネットワークが次々につながるようになりました。しかし、NSFnetの利用は、原則として学術・教育用に限定されていました。これが、インターネットが学術用ネットといわれる所以です。(現在は、NSFnetは非営利団体により管理され、他の公的なバックボーンネットワークと共に、「情報スーパーハイウェイ」(NII)の一環として統合されつつあります。)
日本では、1984年に東京大学、東京工業大学、慶應義塾大学を電話回線で結んだJUNnetがスタートし、1989年にNSFnetと接続しインターネットに仲間入りしたのです。
○商用インターネットの時代(現代)
高速ネットワークの便利さが広く知られるようになると、学術目的に限定されないインターネットの登場が望まれるようになりました。米国では、1989年頃から、自前の回線を使って接続サービスを提供するNSP(ネットワーク・サービス・プロバイダ)が次々に登場します。プロバイダは、ユーザーとの間に専用線を設置し、一端はルーターを通じてユーザーのLANやパソコンにつなぎます。もう一端をNOC(ネットワーク・オペレーションセンター)につなぎ、これがユーザーが接続するAP(アクセスポイント)になります。APが全国にたくさんあれば、ユーザーは最寄のAPに接続すればよく安い電話料金でインターネットを利用することができます。こうして瞬く間にインターネットのユーザーは、全米中に、そして世界中に広がっていきました。
米国では、通信に関する法律も料金体系も日本と異なり、こうしたサービスを始めるにも利用するにも、大変安価に実現できます。このため、爆発的にユーザーが増加したのです。(日本でもユーザーは急激に増加していますが、米国と比較すると、プロバイダ接続料、回線使用料共に、まだまだ安くなって当然と感じます。)
しかし、今日のインターネットの人気は、このようなプロバイダの登場だけで説明できません。単に安くて便利というだけではなく、WWW(World
Wide Web)などのコンテンツが充実してきたことにより、誰でも欲しい情報を入手できる便利さと楽しさが増えてきたためです。そして、1990年代に入り、初期のMosic(モザイク)、Netscape
Navigator(ネットスケープナビゲータ)などの使いやすいブラウザや多くのプラグインが開発され、利用環境が整備されてきたこと、加えて、ユーザーが自ら情報を発信できる道具(ホームページ・ビルダー、マルチメディア・オーサリングソフト、FTPなど)が充実してきたことも大きな要因でしょう。
そして、インターネットの普及に拍車をかけた最も大きな要因は、米国人のパイオニア精神、ボランティア精神です。つまり、誰かが役に立つ情報を無償で提供する、その情報を得た誰かがお返しに有益な情報を提供しようとする、皆で協力して新しいネットの世界を構築しよう、という開拓時代に培われた精神(表現がオーバーかもしれませんが)がベースとなり、さらに良い情報を、良いサービスを、というサイクルができあがったのです。
インターネットの歴史が商用プロバイダの時代から始まる日本では、安いプロバイダはどれか、どうやっておいしい情報を得るか、どうやって一儲けするか、自分に都合のいいインターネット利用術ばかり考えているユーザーが多いように感じます。バーチャルな遊びの世界のように見えるかもしれませんが、ブラウザの向こうには常に生身の人間がいることを意識してください。そして、インターネットから何かを得たら、代わりに何かを提供するというギブ&テイクの精神を忘れないでください。
| ユーザー名 | 意味 | 目的 |
| mayumi | ユーザーID | ドメイン内での識別用 |
| @ | アットマーク | ユーザーID(左)とドメイン(右)の識別用 |
| tk | ホスト(システム)名 | ドメイン名の識別用 |
| ring | 組織名 | |
| ne | 分類 | |
| jp | 国名 | 国の識別用 |
1.ドメイン名: ring.ne.jp
2.サーバー名(ホスト名): tk.ring.ne.jp
3.Webサーバー名: www.ring.ne.jp (www2.ring.ne.jp でも tk.ring.ne.jp のままでもよい。)
4.DNSサーバー名: ns.ring.ne.jp
5.ftpサーバー名: ftp.ring.ne.jp
TCP/IPの世界では、ホスト(接続されているすべてのコンピュータ)はIPアドレスと呼ばれる、「202.247.130.5」のような3桁ずつ区切った一連の数字アドレスで識別されます。ユーザーがインターネットにアクセスする際にはドメイン名を使用しますが、コンピュータ同士が通信のために使用するのは、実はこのIPアドレスなのです。そして、ドメイン名とIPアドレスを相互に変換する仕組みがDNS(Domain
Name System)です。ブラウザにURLを入力してもなかなか表示されない場合は、DNSが目的のホストのアドレスを見つけようとして上位のDNSを検索している場合が多いのです。
ほとんどのプロバイダは、ユーザー側からのログインの際に自動的にドメイン名からIPアドレスを割り当てるようにしているため、WindowsのTCP/IPの設定が「サーバーが割り当てたIPアドレスを使う」設定になっていれば、ユーザーはこのIPアドレスが何かを意識することなく目的のホストにアクセスできます。
このIPアドレスは、国別のインターネット管理機関、日本では日本ネットワーク情報センター(JPNIC)、により重複がないように管理されており、米国以外では国別の記号がつきます。(日本は”jp”。)
<属性型ドメイン名の分類(gTLD)>
| 分類 |
日本 |
米国 |
| 政府機関 | go | gov |
| 大学・教育機関 | ac | edu |
| 一般企業 | co | com |
| ネットワークサービス | ne | net |
| JPNIC会員向け | ad | − |
| 会社以外の団体 | or | org |
| 任意団体 | gr | − |
adドメイン対象者以外は下記のような地域型ドメインを申請することもできます。
1.一般地域型:組織名.kawaguchi.saitama.jp など
2.地方公共団体:組織名.pref.kanagawa.jp city.setagaya.tokyo.jp など
日本の企業でありながら「xxx.com」など国名がつかないドメインもあります。これは、アメリカの企業向けの一般トップレベルドメインですが、interNICの割り当て基準が緩く、プロバイダ経由で申請すると個人でももらえてしまうためです。
また、1997年には、INAC(International Ad Hoc Committee)が、”firm、store、Web、arts、rec、info、nom”といった新しいgTLD(Generic
Top Level Domain:一般トップレベルドメイン)を勧告しています。
○ニュースグループ(NG)の分類
NGの名称もアドレスと同じように重複しないように管理されています。アドレスと異なり、大分類からツリー構造で階層的に徐々に詳しい内容に降りていくように表現されます。例えば、”rec.music.xxxx”は、xxxxに関する音楽記事が投稿されています。(インターネットの世界では、メールを使ってニュースに記事を投稿することを「ポストする」といいます。以前のパソコン通信からのユーザーは「アップする」という人が多い。厳密には、インターネットの世界で「アップ」というのはFTPによるファイルのアップロードをいう場合が多い。)
<主なNGの分類>
| テーマ |
分類コード |
| ニュースネット関連 | news(News) |
| コンピュータ関連 | comp(Computer) |
| 自然・社会科学関連 | sci(Science) |
| 社会文化関連 | soc(Social) |
| 政治・科学・宗教など | talk(Talk) |
| 趣味・芸術など | rec(Recreation) |
| その他 | misc(Miscellaneous) |
○メール
メールシステムは、メールを作成したり読むためのフロントエンド(ユーザーインタフェース)とデリバリーするためのメールサーバー(SMTPサーバーとPOPサーバー)で構成されています。
ユーザーインタフェースは、MUA(Mail User Agent)と呼ばれ、一般のメーラー(Ontlook Express、Netscape Messengerなど)により提供されています。
MUAにより作成されたメールは、SMTPサーバーに送られMTA(Mail Transport Agent)に渡されます。MTAはメールの受取人アドレスからデリバリー経路を決めインターネットへ、つまり受取人側のMTAに送信します。送信の際にはSMTP(Simple
Mail Transfer Protocol)が使われます。
送信されたメールはエラーがなければ受取人側のメールサーバーに届きます。(エラーがあるとMTAが再送処理が行ったり送信元にメッセージを返します。)届いたメールはPOPサーバーにスプールされ、受信者がメーラーでアクセスした際にMUAがパソコン側へ受信し表示します。受信の際にはPOPまたはIMAPと呼ばれるメールを読み出すためのプロトコルが使われます。(メーラーを使用しないでHTTPプロトコルで受信するシステムもあります。)
○TCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)
TCP/IPとは、インターネットを構成するネットワーク間を接続するためのプロトコルであり、インターネットとの接続を可能にするさまざまな通信プログラムにより構成されています。(TCPとIPをまとめて呼ぶ名称です。)プロバイダのサインアッププログラムで自動登録を行ったユーザーは、その際TCP/IPのさまざまな設定が行われたことが理解できないと思います。次回に手動設定を行う時のために、理解しておいてください。
TCP/IPは、UNIXをOSとするコンピュータでは標準の通信方式でしたが、インターネットで採用されたことにより世界標準の通信方式として認められるようになりました。今でも他の通信方式(SNAなど)を使用したネットワークは世界中に存在していますが、インターネット経由の通信を行う場合はTCP/IPを使用するのがスタンダードと考えられるようになりました。
通信というのは、信号の変換や伝送、機器の接続などにおいて、信号のやり取りをする手順(プロトコル)が一致していなければ成功しません。その手順を一致させるために次の7つの「階層(レイヤ)」を決め、それぞれの階層(全部で7階層ある)ごとに一致を試みます。「階層」は、ホテルの本館から新館への連絡通路を設けて行き来をしやすくするようなものです。「プロトコル」は、言葉の解釈などに行き違いが起きないよう規定してある外交文書のようなもので、世界共通の通信に関する約束事だといえます。
<通信の7階層>
7.アプリケーション層(ブラウザなど)
6.セッション層
5.プレゼンテーション層
4.トランスポート層(TCPなど)
3.ネットワーク層(IPなど)
2.データリンク層
1.物理層(イーサネット、トークンリングなど)
通信プロトコルの階層では、一番下が物理的な接続を制御しています。そして中間層では、信号の交換手順の制御を、最上階では通信の適用業務(アプリケーション)に応じた制御を行うようになっています。TCP/IPの場合、最下層には、イーサネットなどのネットワークのプロトコル、中間層にはIP、その上にTCP、最上層にメールやファイル転送などのアプリケーションとなります。
つまり、ダイヤルアップ接続を例にとると、ログイン時には、まず、ユーザーがブラウザを起動するとダイヤルアップがモデムを使用してプロバイダに電話し物理的な接続が確立されます。次に、ネットワーク上の割り当てられた宛先IPアドレスを探し、送信元IPアドレスとのネットワーク層での接続が確立されます。次に、TCPが上位のアプリケーションが使用する通信路を確保します。ここで、セッションが確立され、ログインが完了し、初めてブラウザからアプリケーションが利用できるようになります。ログインが失敗する場合は、これらの階層のいずれかに何だかの「不一致」が起きているのです。(例えば、回線が混んでいた、プロバイダを変更したがネームサーバーのアドレスが元のままだった、などもそれぞれの階層での不一致の原因になります。)
一般ユーザーには、TCP/IPを理解することはかなり難しいと思いますが、最低限、自分のパソコンのネットワークの設定ではどのコンポーネントが利用可能になっているか、使用するダイアルアップネットワークではTCP/IPの設定がどうなっているか、ぐらいは理解しておいてください。
○ファイアウォールとプロキシ
ファイアウォールとは、その名のとおり「防火壁」を意味し、企業や個人のネットワーク上のサーバーやパソコンに侵入しようとする行為(不正アクセスや破壊行為)から、システムを守るためのセキュリティシステムのことです。通常は、インターネットとLANの間に設置され、許されたデータだけを通過させるように制御します。パソコン、ワークステーション、専用のシステムを使ったものがあります。必要なサービスについてのみ通過を許可する「原則禁止」または特定のサービスだけを通過禁止とする「原則許可」のいずれかのポリシーを基本にして運用されます。(安全性と便利さのバランスが変わります。)
プロキシ(Proxy)とは「代理」の意味で、サーバーに対する外部からの侵入を防止するために設けられる、IPアドレスを公開しない代理サーバーのことです。ファイアウォールとともにセキュリティシステムの一つとして広く利用されています。また、本来のサーバーの負荷軽減を目的として設置される場合もあります。ファイアウォールは、インターネットアクセスを制限するサーバーですが、プロキシは、外部からのアクセスや内部からインターネットへのアクセスを行うゲートウェイといえます。プロキシサーバーを受付窓口にすれば、本来のサーバーを危険にさらす不正アクセスも防ぐことができます。また、Webページへのアクセスの際にそのデータをキャッシュできるので、それ以降に同様のリクエストがあった時、速やかに結果を返せるという、Webへの高速アクセスを実現できるというメリットもあります。
○子供への制限
ネット上には、日本の法律に触れないが子供には見せたくないという、アダルト、暴力、麻薬、そのたの犯罪に関する情報を提供するページが多数存在します。IEでは「ツール」の「インターネットオプション」で、アクセス履歴をとらないようにしたり、コンテンツアドバイザの設定を変えることにより、好ましくないサイトヘのアクセスを制限することができます。ただし、コンテンツ規制は、制作者が格付けを行ったWebページか、ENC(電子ネットワーク協議会)やRSAC(Recreational
Software Advisory Council)などの格付け機関が格付けを行ったWebページに対してのみ有効です。(参考:インターネットのリスク管理)
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