文書デザインとレイアウト

このページでは、パソコンの使用率が最も高いといわれる文書作成に焦点をあて、ワープロ(ワードプロセシング)やDTP(デスクトップパブリシング)ソフトを使用した文書編成(エディトリアルデザイン&レイアウト)のポイントについて記述します。初心者、古い時代のワープロの利用経験者、これからパブリッシングソフトを利用しようと考えている方は参考にしてください。なお、クリエィティブデザインについては対象外とします。 (このページの内容は、予告なしに変更されます。)
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ワープロとDTP

●ワープロとDTPの予備知識

○ワープロとDTPの歴史

日本語ワープロが開発される以前は、日本語の文書は、ガリ版刷りや手書きの原稿を印刷ショップに発注して印刷されていた。一部の企業では、印刷コストを下げるため、印刷担当者を配置し輪転機を購入して自前の印刷システムを構築していた。一方、欧文文書については、タイプライターや専用のプリンタで印刷されていた。これらは、印字ボールを交換することにより書体や大きさを変えることができ、入力データをメモリーすることも可能になるなど、ワープロ専用機に取って代わられるまでそれなりに発展した。(カタカナの印字ボールも開発された。)後述する書体の文字ピッチの単位などはこの時代の資産の継承といえる。

1980年代始めから、ワープロソフトが稼働する多機能パソコンが発売され、機能的にはワープロ専用機に劣るものの、今日のパソコン全盛時代の基礎を築くことになった。ほぼ同時期に、海外のメーカー(Z社)が、当時のワープロ専用機では対応できない、高品質な複合文書の作成と大量印刷が可能なDTP専用機を日本のマーケットに紹介した。(これは、文書の美しさに定評があったが高額の専用機であるがゆえに、後にパソコンとの競合に敗退する。)
また、A社もUSで実績のあるDTPソフトをMac上で稼働させることによりこの分野に進出してきた。80年代から、こうした海外のメーカーのハードとソフトに依存したDTPが主流となり、特にDTPマシンとしてのMacは、個人から印刷業界まで広く浸透していった。当時の印刷ショップでは、写植や写真製版による組み版技術が中心であったが、Macの普及により、印刷コストの低減や仕上がり期間の短縮化が図られ、Macユーザーは直接ファイルでの入稿が可能になった。「一般文書にはワープロ」、「デザイン文書にはMac」、という考え方が定着し、印刷業界には伝統的な印刷技術とMacをフロントエンドにした新しいパブリッシング方式が混在することになった。しかし、一般ユーザーにとって、ワープロとパブリッシングの世界はまだ隔絶したままだった。

1990年代に入り、大きな変化が起こる。DOSや初期のWindowsの時代には、重いレイアウティングソフトを動かすには限界があり、ユーザーはそれまで、○太郎などのワープロソフト、イメージ/グラフィックソフトを交互に使い分けながら、文書を作成していた。ところが、パソコンの能力アップによりリソースの制約から解放されたことと、高度なレイアウトが可能なパブリッシング・ソフトがWindows環境へ移植されたことにより、一般ユーザーも卓上の安価なパソコンで、Macと同じソフトを使って、DTPを実現できるようになった。ソフトウェアの機能はバージョンアップの度に充実し、一般ユーザーには必要もなさそうな機能や専門知識がないと使いこなせないような機能も次々に追加されている。Windowsパソコンを導入する印刷ショップも急増しており、Windowsパソコンは、DTPマシンとしての市民権を取得することになった。

○ワープロとDTPの概念

ワープロとDTPを明確に区別することは徐々に難しくなってきた。一般的には、ワープロはテキスト中心、文書量も少く、レイアウトが簡単な文書が対象となり、DTPはデータの種類が多様で、高度なレイアウトが必要な大量文書...などとわかり難い定義がいくつかあった。現在では、ワープロも段組などのレイアウト機能を有し、ページプリンタを使えば大量の印刷も可能である。また、MS Wo○dなどのポピュラーなワープロソフトで作成したファイルであれば、印刷ショップでも受け付けてくれるようになってきた。もちろん、使い慣れたWo○dで文章を作成し、レイアウトの段階でパブリッシングソフトに取り込むことも簡単にできる。

筆者は、あまり定義にこだわらず、ワープロソフトで作成したらワープロ、Page○akerやPu○blisherなどのレイアウトソフトで作成したらパブリッシング、というように単純に作成ツールで分けて考えている。補足するなら、前者は、とりあえず入力・挿入して最後に体裁を整えるタイプ、後者は、まずレイアウト枠を作成してから入力・挿入するタイプである。そして、明らかに異なるのは、後者は、デザインプロセスにおいて様々なレイアウト・テクニックと論理的思考が要求され、印刷プロセスにおいてCMYK(印刷用4原色)とポストスクリプト形式に対応している、ということである。
Wo○dなどのワープロソフトの多くはCMYKとポストスクリプトをサポートしていないので、印刷ショップへ依頼する場合は、色変換の正確性や誤差の精度についてあらかじめ確認しておこう。

参考:DTPを学ぼう

★デザイン&レイアウトの基本的な考え方


レイアウトの基礎とデジタル化

印刷物の目的は、そのコンテンツを正確かつ迅速に伝達することである。デザイン&レイアウトのポイントは、内容に応じた適確な表現をできるかどうかである。そのためには、次のような段階ごとの作業が必要になる。

○内容の理解と要素分解

まず、原稿の内容を理解し、その文書構造を系統立てて把握する。内容を一旦、タイトル、章1、章2、図版1、図版2、コラム..などの要素に分解し、ツリー構造の中に部品として配置し、それぞれの関係を明確にする。例えば、包含関係にある話題の見出しには同じ書体ファミリーを使用するのが妥当であり、章1、章2には同じ書体を使用するのが普通である。コラムなど、文書構造の主軸からはずれた要素には別の書体を使用すれば、全体の構造をより明確にできる。このステップを省略するとチグハグな表現が多くなり一貫しないレイアウトができてしまう。
一般には、落ち着いた上品な印象を与えたいなら書体の数を少なくすればよい。(原稿が構造化しやすく論理的であるなら、自然にそのようなレイアウトになるはずである。)逆に、各々の要素の独立性が高いチラシなどでは、それぞれの要素のキャラクタを強調するために様々な書体や飾りが駆使される場合が多い。こうすると全体に派手な印象になる。

○構造化とデジタル化

原稿(アナログ情報)には、読み進めるにつれて、必ず強弱の波があることがわかる。その波は滑らかな曲線のイメージになり、誌面上でその微妙な強弱を忠実に表現しようとすると、様々な大きさの素材や異なる書体を多用することになってしまう。これはデザインの世界ではタブーであり、一般的には、3、4段階程度の強弱に抑えるのが望ましい。というのは、人間のパターン認識能力には、瞬時に正確な区別や詳細な部分の完全な理解は不得手だが、大まかな粗筋を把握することができる、という特性がある。つまり、人間に見せる誌面は全ての要素を強調した目移りするものであってはならず、ポイントや強弱が明確にわかるものが望ましい。多すぎる情報は混乱を招くだけなのである。
この隙間なくつながる強弱のアナログ曲線を、人間が瞬時に理解できる数段階のレベルに置き換える(デジタル化する)ことを構造化という。構造化は、レイアウトの基本的なリズムを作り、メリハリのある印象を与える効果をもたらす、という点で最も重要なレイアウト・テクニックである。

○リズムとバランス

人間がものを読む視線を分析すると、隅から隅まで均一に機械的にとらえるのではなく、重要なポイントに次々にスキップしていく、という特性があるという。つまり、基本どおりのレイアウトは、美しいリズム感を生むが、一方では、特に変わった情報はなし、「以下同文」、という印象も与えるため、読みとばしの対象になってしまう。例えば、同じ大きさの写真を整然と並べると、リズム感は表現できるが、それぞれの写真自身の意味や強調したい写真がかすんでしまう場合がある。そんな場合は、1枚だけ斜めに配置するなど、わざとリズムを崩してレイアウトすればアイキャッチ効果が断然向上する。目を引く装飾文字や色彩も乱用すれば効果は半減するのも、この特性のためである。

要素の再構成とレイアウトのヒント

○視線の流れとレイアウト

「読む」という作業は、スキャナでの走査のようにピクセルを1個づつ拾っていく機械的なものではない。一方では始まりから終わりへという直線的な流れでストーリーを理解しようとし、他方ではその大雑把な粗筋の中の位置関係でポイントを捕らえようとする。この二面性を考慮した読みやすいレイアウトが基本になる。
特に情報性の高い(情報量の多い)ページのレイアウトでは、各要素間のアキ、段組み、詰め、などのテクニックを生かして誌面に一方通行の流れを作り、トピックの読みこぼし、二回読みなどの視線の混乱が起こらないようにすることが重要である。一方、一見すっきりした誌面でも、視線の混乱が思わぬ読みにくさにつながる場合もある。例えば、本を開いたときのノド部分(左右のページ間の余白)の必要以上の幅広さは視線の流れを分断するだけでなく、読み続けてきた集中力をも吸い取ってしまう。続けて読ませたい部分に大きな余白を入れてはならない。レイアウト自身も文脈を持っており、段組みなどは視線の流れと密接に関係するのである。
メディアの発展や文字文化の変化などに影響され、日本人の読みのスタイルはいずれ変わっていくかもしれないが、そのような例外的なレイアウトをあえて採用する際には十分注意しなければならない。
 
○統一感と変化
 
ページ数の多い雑誌には目次・索引がついている。だが、読者があるページを開いたとき、そこが何のページなのか、雑誌全体の中でどのような位置にあたる部分なのかが一目でわかるレイアウトの工夫も必要である。ひとつの記事の中で共通して使われる罫線やアイコン、背景の意匠などの道具を効果的に使おう。
タイトルには特に配慮する必要がある。タイトル周りのデザインは、その記事の全体の中の重みやページ数を暗示する効果がある。いくら記事が入りきらなくても、巻頭のタイトルが小さすぎては意味がない。逆に、わずか2、3ページの記事のタイトル部分が1ページあったりすると、読者は、予定した記事の入稿が間に合わなかったのかな、と思ってしまう。
また、囲み罫や版面の周囲を囲むような背景処理は、それに囲まれた領域を一つの独立的な閉じた空間にする働きがある。したがって、場面の切り替えを狙いとする要素や主軸となる要素と無関係の要素などに向いている。

○原則と非原則

レイアウトやデザインには、唯一の正解があるわけではない。原則はタブーと考えられるテクニックをあえて実行することで、高い効果を引き出すことができる場合もある。多用な書体や混乱した画像配置は、いかにも情報の山盛りという印象を与え、洗練された印象は与えないものの、不気味なパワーを感じさせることがある。一通り目を通しても全部読んだのかどうかわからない迷路のようなレイアウト、どこからどう読めばいいのか見当もつかないレイアウトなど、場合によっては、それも正解かもしれない。しかし、様々な色や書体を無秩序に乱用することは、読者に「デザインセンスの欠如」という第一印象を与える危険性が高いことも意識しておくべきである。
つまり、大事なことは、なぜこのレイアウトなのか、どのような効果を狙ったのか、自分の意図とそのための工夫を明確に意識しておくことである。デザインを見る眼は人により異なる。読者のどのような反応に対しても、自信を持って説得できるように準備しておくべきである。
 
レイアウトの基礎知識と基本的なテクニック

●本文書体と文字サイズ

○印刷文字の単位

欧米では昔から文字の単位として「ポイント」(point)と「パイカ」(pica)が使われてきた。タイプライターを使用した経験のある人はパイカスケール(尺)などで文字数を計ったことがあるでしょう。印刷業界の標準とされるポストスクリプト・ポイントでは、
    1ポイント=1/72インチ  12ポイント=1パイカ   6パイカ=1インチ 
となるなのだが、実は他にも2種類のポイント(アメリカン・ポイント、ヨーロピアン・ポイント)が存在し、実サイズは微妙に異なる。自分の使うソフトがどのポイント方式を採用しているのかわからない場合が多いので、精度の高さを要求される印刷物を制作する際は注意しよう。
級数は、日本で昔から使われてきた印刷単位であり、ワープロには使用されなくなったが、写植の文字指定にはこれが必須である。
    1級(Q)=1歯=0.25mm
となるのでわかりやすい。(印刷の文字間隔に使われる場合は「歯」という。)

最近のDTPソフトはポストスクリプトをベースに設計されており、「ポイント」が中心。ワープロもいずれかの「ポイント」を基本にしている。つまり、ポストスクリプト・ポイントで作成すれば印刷ショップでは誤差なく印刷できるが、対応していないアプリケーションで作成すると、フォントの変換の際に誤差が出てしまう。DTPの世界ではポストスクリプトが標準である。

○本文の文字サイズ

本文の文字の大きさは、読者やその文書の目的に応じて決定される。標準フォントサイズはソフトにより異なるが、多くの場合10〜12ポイントが初期値のようである。本文のフォントは、テキスト中心の文書作成における最も重要なポイントである。内容によっては、複数の種類・大きさを使い分ける必要があり、制作者の知識やセンスが問われる要件でもある。
8ポイント以下は、通常の文書ではあまり使われず、図中、製品カタログ、補足的な解説あるいはどうしてもそのページに収めなければならないなど、イレギュラーな条件でのみ使われる。9ポイントの文字でも、連続して読むのは平均視力の低い日本人にはさすがに苦しい。10〜11ポイントはやや小さめだが、情報量の多さや密度の濃さを印象付けるには有効である。12〜13ポイントは、情報性は落ちるが読み物中心のページで活きてくる大きさである。最近の情報性の高い雑誌を見慣れた世代には「大きい」と思うかもしれないが、中高年齢層にはこの程度が読みやすいと感じるかもしれない。

○和文フォント

基本は明朝とゴシックである。特徴をまとめると次のようになる。

フォントの特徴
明朝系
ゴシック系
視覚的印象 優しく女性的 力強く男性的
適合する文書 ストーリー系文書 情報性の高い文書
有効なパート じっくり読ませる長文 目立たせたい見出し・コピー
向いている段組 縦組み 横組み
支持される年代 中高年齢層 若年層

誌面で使うフォントを決めるには、まず、本文に使用する代表的書体(通常は明朝体とゴシック体)を一つずつ準備する。次に、本文書体に合う見出し系のフォントを決める。その際、まるで異なる書体ではなく本文書体のファミリーフォント(太さ違い)から選ぶと違和感なく誌面がまとまる。見出しなどには、多少遊びを入れるのも効果的なので、特殊書体(勘亭流など)を使ってみるのも良いだろう。素人が犯す代表的な間違いの一つは、デザインコンセプトの全く異なるフォントの使い過ぎである。まずは、ポピュラーで読みやすい、必要最低限のフォントで作成することである。

○欧文フォント

和文フォントは漢字、ひらがな、カタカナを表現することが主たる目的であり、含まれる英字や数字はいまいちの感がある。したがって、欧文フォントを使用する目的は、和文フォントで表示された誌面上の英字や数字を欧文フォントで置き換えることで、違和感のない美しい日本語誌面を作成することである。ただし、納得のいくフォントミックスは結構難しい。和文と欧文は実ボディの大きさとベースラインがそれぞれ異なり、そのままでは欧文フォントの部分が小さく上がって見える。これらを修整できる合成フォント機能は、高価なDTPソフトウェアには組み込まれているが一般のワープロでは提供されていない。このような場合は、面倒ではあるが、英数字用のフォントをいろいろ変更して違和感のないものを設定しておこう。

●タイトルとリード

本文、リード文、タイトルの大きさの関係は「ジャンプ率」で表される。広告やスポーツ新聞の見出しなどはジャンプ率が高い。雑誌の場合、ゴシップ記事などを除いて、記事中で極端に高いジャンプ率が適用されることはあまりない。本文の大きさにもよるがリードに対するタイトルのジャンプ率は5倍程度までであろう。しかし、見開きのトビラでは「これ一体何ポイント?」と驚くほど大きな文字を使う場合がある。もともと目を引くことを目的として見開きのトビラにするのであるから文字も大きくなくては意味がない。タイトルの役割によってジャンプ率は大きく変わってくる。
さらに、ジャンプ率は書体によっても変わる。黒の強いゴシック系の場合は、大き過ぎるとうるさい。ボールド体はさらにうるさい。明朝系は黒味が弱いのでゴシック系よりも大きめのサイズを使った方が効果が高い。
とにかく、無理なジャンプ率を適用して誌面のバランスを崩さないように注意しよう。

●小見出し

見出しを作る目的は、誌面にリズム感とアクセントをつくることである。テーマを示したり、読者に一息つかせることによって読者の視線を次のパートへ進めることができる。したがって、本文とは明らかに異なり目立たないと意味がない。見出しは、長い文章を読む上で、読者への負担を軽減するための不可欠なテクニックといえる。
まず、小見出しの基本的な書体を決めておき、場合によっては後で少し遊びを入れればいい。書体や級数について、本文とは明確な違いを出すことによって、読者の視線を一旦停止させることができる。かなフォントは小見出しやリード文に使うと映える傾向があり、ゴシック系のフォントと組み合わせると誌面にリズムと躍動感が生まれてくる。

●行送り

行送りをアプリケーション・ソフトの初期設定値のままで使っているユーザーは多いのではないだろうか。初期値はフォントサイズの1.5倍前後が多いようである。本文の行送りはこの程度開けた方がよい。詩のようなゆったりした雰囲気を出したい場合や小説のような長文の場合は、さらに行間を開けた方が読みやすいかもしれない。しかし、不用意に行間を広げると、見やすいが誌面の密度が下がり、情報性が低くなる。見出しなどでは行間を縮めた方が効果的な場合がある。ワープロではこの辺りの機能はあまり精度の高いものではないが、とりあえずは「ページ設定」や「書体」等のフォント設定で変更できるのでフォントサイズや目的に応じて使い分けてみよう。

●段組み

○縦組みと横組み

初期のワープロにはなかった段組みの作成が、最近では、精度はともかくワープロでも可能になっている。段組の目的は、誌面上の内容に流れを作ること、「読みやすさ」を提供することである。
日本語はもともと「漢字」と「かな」から構成される縦書きの言語である。しかし欧米の文化を受け入れるに連れて英字や数字も多用されるようになり、横書きの方が適している場合も多くなった。J-POPの歌の詩など、英語が多くて縦書きでは表現できないものが多い。固有名詞やテクニカル用語が使われるコンピュータ雑誌なども横書きの典型である。読み物中心の誌面では、縦組みの方が落ち着くし、雰囲気も出しやすい。さらに、写真の配置やコラムの入れ方の自由度が高い。横組みは情報性の高い誌面や安定したデザインの誌面に向いている。初心者にはレイアウトしやすい組み方だろう。次のようにまとめられる。

特徴
縦組み
横組み
文字の構成
漢字とかなが中心
英字と数字が多い
適合する誌面
読み物中心
情報性の高い誌面
効果
デザイン上の遊びを入れたい場合
安定したデザインにしたい場合

やはり、誌面の目的に応じた組み方を選択するべきである。ただし、縦組みが苦手なソフトもあるので、その操作性・機能性も加味して決定しよう。(横書きで入力し縦組みにレイアウトするなどの工夫も必要になる。)

○本文の段組み

まず、本文級数が決まり、それを何字詰めにするかで行長が決まり、段組数が決まる。視覚上、ストレスなく読める1行あたりの文字数というのは25字前後といわれ、これ以上だと文字数が増えるにつれて読みにくくなる。ゆったり読ませたい誌面なら行長を長くし段組数を少なくし、情報性の高い誌面では行長を短くし段組数を多めにする。A4で縦組みの場合、一般誌には4段、情報性の高い誌面には5、6段がよく使われる。

●罫線

以前は、外国産のソフトは罫線が苦手だった。最近のワープロ、DTPソフトは簡単に罫線を作成できるものがほとんどである。もともと和文では罫線を多用する傾向があるが、使い過ぎの失敗も多い。罫線には法則がない。タイトル、本文、遊び、区切り、囲みなど、いくらでも使えるが、上手に使いこなすにはセンスと経験が必要である。
基本的に、デザインでは、罫線は「区切り」の場合に使われる。(初期のワープロでは「強調」のために使われることが多かった。) 上下左右に分割したり、情報の境界線を作ったり、コラムや特定の記事を独立させるために使われる。分割ではなくかたまりを意識させる高度な使い方もできるが、これは一般人には難しい。
罫線は、「遊び」を除いて、必要な部分に(目的が明らかな場合に)適切な強さで使用するのが望ましい。太くすると境界線が明確になり、細くすると柔らかな境界線になる。太過ぎると目立ち過ぎて逆効果になる。囲み罫のスミが強過ぎたり、本文が表のようになってしまうのは初心者が犯しやすい間違いである。また、挿入する表自体にも同じ事がいえる。すべてのセルをきつい罫線で囲むと、誌面の中で表だけが強く感じ、肝心の表の内容はかすんでしまう。
初心者は、上手に罫線を使用している誌面を参考にして、模倣してみるのも一案である。

●画像などの配置

イラスト、写真などの素材を上手に扱うにはセンスと経験が必要不可欠ある。自信のないユーザーは、はじめから無理にさまざまな素材を押し込めないことである。デザインでは、グリッドシステム(本文の文字の大きさを単位として印刷誌面をその倍数で決定し、文字が作る格子をレイアウトのベースとする考え方)を使って、誌面上にタイトル、見出し、本文、素材を配置するスペースを正確に決めるのが良い。(ワープロでは、グリッド線を表示させ区切りのよい位置に配置させるように試みる。) メインの素材は大きめに、整然と配置してみる。次に、素材の大きさに差をつけたり、はみ出して配置するなどの調整を行い、最も効果的な配置を決定する。(デザインでは、まったく自由に配置して動きを出す配置法もあるが素人には難しい。)
素材の間隔や本文との距離など、グリッドを正しく使って配置すると、違和感のない安定した配置になる。

デザイン系とワープロ系では、作成する文書の特性や使用するソフトウェアが異なる。しかし、ツールは異なっても、文書デザインに対する考え方は類似している部分が多い。ワープロ・ユーザーが、無意識にレイアウトの技法を使用していることもある。チラシであれビジネスレターであれ、このようなレイアウト・テクニックをほんの少し使っただけで、一味違った文書を作成できる。